肥満に関しては老若男女のほとんどの人が悩んでいます。
若い女性などは、誰が見ても痩せ型なのに自分は太っていると主張してゆずらない人がいます。そうかと思えば、不健康に見えるほど太っている人が自分は小太りだと思っている場合も少なくありません。
さて、肥満の具体的な基準はどういったものでしょうか?
日本では肥満症の基準は男性はBMI25以上、女性は30以上としています。また、具体的なサイズとしてはヘソ周りが男性85cm以上、女性90cm以上のことをいいます。シニアの中には手足の割にお腹が太っている人が多いのですが、このタイプの肥り方こそ、もっとも問題の多い内蔵脂肪型の肥満です。
肥満の原因
肥満の原因を一言で言ってしまえば過食です。運動量よりも食べる量の方が多いから肥るのです。
日本は高度成長期に入り食事は劇的に豪華になり高脂肪になりました。その一方で、労働時間が長くなり朝食を食べなかったり、夜遅くに食事をしたりする人が多くなりました。それに加えて、最近では加齢によって基礎代謝が減少し不要な糖質や脂肪分がどんどん体内に備蓄されていく結果になりました。
肥満の弊害
内臓脂肪が増えるとインスリンの働きがわるくなり血糖値のコントロールがうまくいかなくなります。そうすると高血糖になり糖尿病リスクが高くなります。脂質の代謝が悪くなるため血中のコレステロールが増え高脂血症になります。体内の脂肪が多くなると、必要な血液量が増え高血圧になります。高血糖、高脂血症、高血圧が重なると動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などがおきやすくなります。
また、肥満体系の男性には前立腺ガンや大腸ガンが多く、女性は乳ガンや子宮ガンが多いことも報告されています。
食事の考え方
まずは自分の年齢に必要なカロリーを知っておくことです。インターネットで簡単に調べることができます。その上で、基本的な考え方を紹介します。
- 野菜を多くとる。
- 炭水化物はお菓子ではなく米やパンで摂る。できるだけ白米よりは玄米や雑穀を混ぜて、真っ白なパンより全粒扮パンなど、うどんよりはそばやスパゲティーなど硬いもの消化の悪いものの方が太りにくいのです。
- 脂質は少なめに、脂身よりは赤み、牛豚よりは鶏肉などにします。
- タンパク質は多めにとります。肉よりは魚中心の方が肥満リスクは減ります。
- 白糖よりは黒砂糖や甜菜糖など、というように精製の度合いの低い消化しにくく栄養価の高いものを選びましょう。
- 油はサラダ油や天ぷら油よりはキャノーラ、オリーブ、ゴマを選びましょう。
- 洋食や中華料理よりも和食がいいといわれますが、実は和食は砂糖をよく使う料理です。甘くない和食がおすすめです。
- ゆっくりよく噛んで食べるということも大切です。ドカ食いをしないように食前に飴を食べたりして満腹中枢を刺激しておく方法もあります。
- 間食を慎む→すぐ食べられる食品の買い置きをしない。
- 食べ残しなどを片付け喰いをしない。
- 味付けを薄くする→だし、酸味を利用して砂糖や醤油をへらす。
- 外食をへらす。
- テレビや新聞を見ながらのながら喰いをしない。
- ヤケ喰いをしないように食べること以外の気分転換方法を見につける。
運動の考え方
過食を逆に見れば運動不足と言うことになります。食生活を改めると同時に運動量を増やすとダイエット効果をあげやすいのです。とはいえ、運動は長期的に継続するのは難しいものです。
- できるだけ達成可能なプチ目標を設定して細かい成功体験を積み上げていきましょう。もし、プチ目標を達成できなければ、目標を下方修正しましょう。
- 運動による代謝をあげると基礎代謝もあがって痩せやすい体質になります。
- 今まで運動不足だった人が運動を始める時には、簡単な有酸素運動から始めましょう。いくら若い時にやっていたからといっても急に激しい運動をすると怪我をする心配があります。もし膝などに自信がないようなら、水中歩行や座って行うダンスなどから始めてもいいでしょう。自分の体調をチェックしながら運動をしましょう。
- 時間がとりにくい人は自宅で簡単なダンベル体操をするだけでも効果があります。
- きつい腹筋運動などは筋肉を引き締めて痩せはしますが脂肪が落ちる分けではありません。
- エステサロンのマッサージによる痩身は水分を出すことにあります。エステで脂肪をとるのは相当難しいのです。
運動の良さは運動自体の代謝もさることながら、筋肉をつけて基礎代謝を増やすことに価値があります。
肥満対策のポイント
食事と運動の両面からダイエットをした方が効果が上がりやすくリバウンドもおこり難いのですが、両方同時に始めるとキツいので挫折する率も高くなります。
どちらかやりやすい方から初めましょう。音楽にあわせて動くと気分が高揚し飽きにくいので、簡単なダンスなどもお勧めです。