食の知識&健康

冬に悪化する後鼻漏(こうびろう)

よく、不潔な話をする時に「びろうな話ですが」などと前置きをします。びろうとは鼻漏のことで、鼻水が垂れるように不潔な話ということです。

普通鼻水は鼻の穴から垂れてくるので鼻水をかんだり、時には鼻水をすすったりします。この鼻水が鼻の穴だけではなく喉に流れ落ちることを後鼻漏といいます。成人の約30%が後鼻漏で不快な思いをしているという報告もあります。

特にシニアは鼻粘膜の機能の衰えと相まって後鼻漏で悩む人が多くなります。後鼻漏が原因で痰が喉にたまって咳や咳払いが多くなり、結局は喉を傷めてしまうのです。

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後鼻漏の原因

人間は常に鼻水がのどに普通に流れています。普段はこのようなことは気にもしていないのです。つまり後鼻漏に気が付くということは、鼻水が単なるサラサラの状態ではなく何らかの粘りを持った状態だからです。後鼻漏の原因とは要するに鼻水に粘りが出る原因ということなのです。

もともと鼻水は鼻の中の乾燥を防いだり、粘膜を細菌から守るために分泌されますが、花粉症や風邪などの場合には大量に鼻水が分泌されるために、鼻の穴から鼻水が流れ出し、喉へも普段とは違う不快な鼻水が流れ落ちることになります。

一時的な後鼻漏は誰でもあることで、風邪などの症状が治れば後鼻漏も治ります。しかし、アレルギー性やそのほかで慢性的に鼻炎を起こしていると後鼻漏も慢性的になります。

慢性の後鼻漏の症状とは?

  • 常に鼻水が喉に流れている状態で、口の中に鼻水が溜まったり、喉に鼻水がへばりついて不快感がある状態
  • 横になると、鼻水がのどに流れて寝苦しく睡眠不足や肩こりなどがある症状
  • 咳や痰など喉の不快症状があり口臭などの症状がている状態

特に細菌性の鼻水には膿が含まれているため、粘り気があり黄色や緑の鼻水が出て喉にも炎症を起こします。喉に炎症が起きると、咳や咳払いで菌を排出しようとしますが、咳や咳払いは喉を荒らし体力を奪います。

鼻炎が慢性的になると、鼻の粘膜が変性して鼻水を必要以上に大量に出して後鼻漏も一緒に悪化します。

後鼻漏で喉に落ちた鼻水は飲んでいい?

アレルギーなどの刺激で鼻水が増えた場合には飲んでも構いませんが、細菌性の原因で鼻水が増えた場合には飲んではいけません。

サラサラの水のような鼻水は普段から意識せずに飲み込んでいるものですから、刺激で出た鼻水は飲み込んでも問題はありませんが、風邪や副鼻腔炎の粘りや色のある鼻水の場合には飲むと膿も一緒に飲んでしまうことになります。継続して色や粘りのある鼻水を飲んでいると口臭の原因になります。

後鼻漏の治療

根本的な治療は鼻炎や副鼻腔炎の治療をすることです。
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、風邪などの症状にふさわしい治療を受けるためにはまず耳鼻科の診断をうけることです。鼻の粘膜が変性してしまっている場合には、レーザー療法や粘膜注射療法などがあります。

自宅で後鼻漏を対処

鼻づまりや後鼻漏を緩和する事は自宅でもできます。どの方法も病気の根本的な治療ではありませんが、症状を抑えたり緩和したりするのに役立ちます。

家庭用吸入器

毎日細かいミストを鼻の奥まで吸入できるので炎症を治めます。生理食塩水をつくることができるものもあります。

鼻うがい薬

鼻炎薬を毎日さし続けるのは、鼻粘膜を刺激して鼻粘膜を過敏症にする恐れがあります。鼻うがいは後鼻漏の治療薬ではありませんが、鼻の中を清潔にして鼻の中の膿を除去するのには効果的です。

ただし、やり方を間違えるとひどい痛みがあったり中耳炎にかかってしまったりする原因になります。生理食塩水または鼻うがい用の薬剤を使います。鼻うがいはアレルギー性鼻炎に関しては、病気そのものの緩和につながります。

鼻蒸しタオル

粘膜は基本的に乾燥すると炎症を起こしやすくなります。朝夕2回程度鼻から口に蒸しタオルを当てて呼吸をします。吸入器の超簡易版です。

刀豆茶

刀豆に含まれるカナバニンという成分が膿を取り除きます。

最後に

後鼻漏は、今まであまり話題にもなりませんでしたが、神経質な人にとっては睡眠の質を左右する深刻な症状です。冬は後鼻漏が悪化する季節です。部屋の温度管理と湿度管理をして鼻と喉を守る工夫をしましょう。

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