食の知識&健康

スプラウトは天然のサプリメント

スプラウトとは、植物が発芽したばかりの新芽のことです。いわば「植物の赤ちゃん」ですが、これから大きく成長するために必要な栄養やパワーを最も豊富に含んだ状態なのです。
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キャプテン・クックは、船上で大麦のスプラウトをつくり、船乗りたちの栄養補助源にしたと言われています。

スプラウトの栄養

種や成長した野菜の状態と比べると、栄養や酵素をたっぷり含んだ状態がスプラウトです。
豆苗はエンドウ豆(種の状態)のスプラウトですが、エンドウ豆と比べて、なんと栄養価が2倍〜50倍以上にもなっているのです!

  • ビタミンB2:2倍
  • ビタミンE:28倍
  • ビタミンK:20倍
  • 葉酸:6.3倍
  • カロテン:51倍
  • ビタミンCが新たに追加!

「スプラウトは、天然のサプリメント」と言われる由縁です。

スプラウトの種類

スプラウトは、育て方や食べる時期によって4つに分類できます。

(1)モヤシ型(豆型)
暗室で育てて、緑化させないタイプです。緑豆もやし、大豆もやし、アルファルファ、フェヌグリークなどがあります。
(2)カイワレ型(アブラナ科型)
茎が伸びるまでは暗室で育て、その後は光をあてて緑化させるタイプです。カイワレ大根、ブロッコリースプラウト、レッドキャベツスプラウト、マスタードスプラウト、クレススプラウト、豆苗、ソバ、カラシナ、シロガラシなどがあります。
(3)モヤシ型とカイワレ型の中間
暗室で発芽後、緑化させるタイプです。暗室で発芽させた後、緑化。カイワレ型よりも栽培期間が短く、葉は淡い緑色をしています。欧米では一般的で、ブロッコリースーパースプラウトがこのタイプです。
(4)発芽したてのタイプ
発芽後すぐに種ごと食べるタイプです。発芽玄米、リョクトウ、アズキ、ケツルアズキ、レンズマメ、ヒヨコマメなどがあります。

食卓を彩るスプラウトの色々

日本では、モヤシはもちろん、カイワレ大根や豆苗などがスーパーでも購入しやすいスプラウトです。ブロッコリースプラウトも最近は手軽に買えるようになってきています。

カイワレ大根

大根のスプラウトです。O-157騒動の際に悪者にされかけましたが今は免罪を免れています。スッキリとした辛みが特徴です。日本ではごく一般的に良く食べられているスプラウトです。カロテン・ビタミンC・ミネラル等の栄養素を多く含んでいます。最近では安眠効果の高いメラトニンも注目されています。

豆苗

エンドウ豆のスプラウトです。上品な香りと甘みがあります。各種のビタミンをバランス良く含んでいます。ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンK、葉酸は特に豊富です。抗酸化作用でアンチエンジング効果や、新陳代謝を高めたり骨を丈夫にする効果が期待できます。楊貴妃も好んで食べたと言われています。

ブロッコリースプラウト

ブロッコリーのスプラウトです。他よりも小さくてかわいい姿です。βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、葉酸など抜群の栄養価を誇っています。ガン予防効果がピロリ菌殺傷、肝機能向上、悪酔い防止など様々な効能があるとされるスルフォラファンを非常に多く含んでいます。

マスタードスプラウト

からし菜のスプラウトです。からしのピリッとした刺激が、料理のスパイスにもよくあいます。ビタミン類の多さだけでなく、ミネラルや酵素類も多く含んでいます。鉄分が豊富で、アトピー等の皮膚炎にも効果が期待されています。

レッドキャベツスプラウト

緑色の葉と、あざやかな茎の深紫色が、料理に彩りを加えてくれます。ビタミンAやビタミンCが豊富なミネラル野菜で、クセのないマイルドな味わいで、様々な料理によくあいます。酵素類もバランスよく含んでいます。

アルファルファ

アルファルファはムラサキウマゴヤシとも言い、マメ科ウマゴヤシ属の多年草です。ピリッとした辛みがあります。米国ではポピュラーなスプラウトでサラダやサンドウィッチやなどに使われます。ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンK、リン、カリウム、食物繊維を多く含み、ダイエットにも適しています。

クレススプラウト

ガーデンクレスのスプラウトです。香りと辛さが特徴的な、クレソン(オランダガラシ)の1種です。葉の形は尖っていて、ワサビに似た辛さは和食にもあいます。鉄やカリウム、ビタミンEを多く含み、抗酸化作用が強く、胃腸の調子を整えたりするなど、代謝をよくする効果が期待できます。

ルッコラスプラウト

ルッコラスプラウトはハーブの一種で、独特のゴマの風味と辛さを持っています。サラダやパスタ・スープの具などにぴったりです。ルッコラはハーブの1種で、ヨーロッパなどで多く栽培されているアブラナ科の葉野菜です。ミネラルやビタミン多く含んでいます。

そばのスプラウト

ピンク色の茎が料理に彩りを添えてくれます。血圧を下げ、血管を強化するルチンや、中性脂肪に影響があるといわれるコリンが多く含まれています。そばは長寿食の代表格ですね。

ひまわりのスプラウト

ひまわりの種のスプラウトです。血中のコレステロールを調整してくれるレシチンの他、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEを多く含んでいます。太い茎と肉厚な葉はボリューム満点。欧米では人気がある、食べ応えのあるスプラウトです。サラダやスムージーとしての食べるのが適しています。

ケールのスプラウト

苦みのある青汁の材料として知られるケールですが、スプラウトには苦みがほとんどありません。βカロテンやビタミン、ミネラルなどをバランスよく含む健康野菜です。食物繊維も多く含んでいるので、便秘改善やダイエット効果も期待できます。

ささげ菜スプラウト

ささげの種は、赤飯を作るとき、アズキの代わりに使われることがあります。ささげのスプラウトはシャキシャキした歯ごたえを持っており、炒めて食べたり、加熱しておひたしで食べたりします。生では青臭いので、他のスプラウト野菜のように生食というより、茹でて食べます。味噌汁やおひたし、胡麻和え等がおすすめです。

オクラスプラウト

オクラのスプラウトです。成長したオクラはネバネバしていますが、スプラウトにはネバネバ感は少なく、シャキシャキした歯ごたえです。ビタミンAやカロテン、ビタミンC、葉酸、カリウムなど豊富な栄養素を含んでいます。ペクチンも多く含んでいるので、腸内環境を整えてくれます。

空心菜スプラウト

中国料理で馴染みのある空芯菜のスプラウトです。生のままでも、炒め物にしても美味しく食べられます。カルシウム、カリウム、鉄分を多く含むほか、βカロテンも多く含むことからビタミンA効果が高く、視覚や細胞分裂にかかわるほか、抗酸化作用で体内の酸化を防止します。

水菜スプラウト

水菜のスプラウトです。もう少し成長するとベビーリーフとして、さらに大きくなると水菜として売られています。シャキッとした歯ざわりと、独特の風味が特徴です。スプラウトの状態には、たっぷりの酵素や多くの栄養が詰まっていて、さらに低価格なので、積極的に取り入れたい食品のひとつですね。

クローバースプラウト

クローバーって食べられるんですね!クローバースプラウトには、レッドクローバーが多く出回っているようです。大豆よりもイソフラボンが豊富といわれています。イソフラボンは更年期障害やコレステロール値の低下、骨粗鬆症、がん予防に有効とされています。クローバースプラウトは、生食がオススメで、サラダにしたりサンドウィッチにはさんでも美味しくいただけます。

レンズ豆スプラウト

少し珍しいレンズ豆(ヒラマメ)のスプラウトです。レンズ豆は柔らかいので、発芽させれば生のまま美味しく食べられます。また、蒸したりスープの具にするのもオススメです。たんぱく質を豊富に含んでいます。栽培しやすいので、レンズ豆を買ってきて新芽を育ててみるのも楽しいですね。

ラディッシュスプラウト

ラディッシュ(ハツカダイコン)のピンク色でかわいいスプラウトです。かいわれ大根と似た風味で、特有の辛味があります。辛味が気になる場合は、熱湯を通すか炒めると辛味がやわらぎますが、出来れば生食で、サラダにしたりサンドイッチに挟んで辛味を楽しんでください。シラス干しと和えてポン酢で食べるのも美味しいです。カルシウムとビタミンC、ビタミンAが多く含まれており、栄養豊富なヘルシー野菜です。また、奇跡のホルモンと言われているメラトニンも豊富に含まれています。

オニオンスプラウト

ちょっと珍しい玉葱のスプラウトです。玉葱の味や香りはするけれど、あの独特の辛みはそれほどありません。たんぱく質の含有量が多いのが特徴で、ビタミンAやビタミンC、ビタミンDも豊富に含まれています。サラダやお浸し、冷奴・うどん・ラーメンの薬味、お肉や刺身のつまとしても美味しく頂けます。

マングビーンスプラウト

日本ではめずらしいマングビーンのスプラウトです。(マングビーンは緑豆ですが、日本で一般的なもやしのヤエナリの種子ではありません。)世界で最も消費されるスプラウトと言われています。中華料理では加熱して、欧米では生のままのサラダレシピとして食べられています。食物繊維・ミネラル・ビタミン・たんぱく質が豊富なスプラウトです。

緑豆もやし

緑豆もやしは、日本で一番お馴染みのある「もやし」です
そもそも『スプラウト』とは新芽のことですが、『もやし』のことでもあります。モヤシ(もやし、糵、萌やし)とは、主に穀類、豆類の種子を人為的に発芽させた新芽のことなのです。なので、カイワレ大根や豆苗、ブロッコリースプラウトも本来はもやしの一種ということになります。

日本では、「緑豆もやし」や「ブラックマッペもやし」や「大豆もやし」のことを単に『もやし』と呼んでしまっていますが。。。
豆類のモヤシを特に豆もやし(ビーンズスプラウト、ビーンスプラウト、Bean sprout)といいます。
リョクトウ(緑豆)もやしが、日本のスーパーで一般的に『もやし』として売られているものです。

ブラックマッペもやし

ブラックマッペは黒緑豆のことで、ケツルアズキとも言います。このブラックマッペもやしは、関西で主に食べられる細くて長いタイプのもやしです。甘みが強いのも特徴で、もやし特有の風味があります。
一方、関東では緑豆・大豆を使った、色が白く太めでシャキシャキ感のあるもやしが好まれています。

大豆もやし

ご存知、大豆のスプラウトです。豆が残っているもやしで、韓国料理のナムル(和え物)などに使われます。生産コストが高いため、緑豆もやしやブラックマッペもやしの登場に伴い、大豆もやしは減少してしまいました。
とはいえ、「大豆は畑の肉」と言われるほど栄養価の高い豆です。大豆もやしも、たんぱく質が非常に多く、ビタミンA、ビタミンC、カリウム、葉酸、食物繊維も豊富に含まれています。低カロリーで栄養満点、そして安価で家計にやさしい、食卓に是非取り入れたいスプラウトです。

ピーナッツスプラウト

ピーナッツのスプラウトです。「ピーナッツもやし」という呼ばれ方もされますが、一般的なもやしと比べて太さは3〜5倍、全長は3〜5センチと、かなりのスケールを持っており、これまでの「もやし」の常識が覆されるスプラウトです。茹でて食べれば、太い茎のシャキシャキした歯ごたえと、ほんのりピーナッツの味と香ばしさで、今までにない後を引く美味しさだそうです。さらに、天ぷらにすると香ばしさが増してよりおいしく食べられるとのことです。
健康食材である雑穀と比べても、カルシウムが6倍、食物繊維は4倍など、健康食品の名に恥じない栄養成分を含んでます。豊富に含まれるアスパラギン酸(アミノ酸の一種)による疲労回復効果の他、血行改善や、生活習慣病の予防、心臓病の予防、美肌効果とアンチエイジング、記憶力アップなどが期待できます。

カイワレ vs ブロッコリー vs 豆苗の栄養素対決!

日本の食卓で手軽に食べられる3大スプラウトの栄養成分を比較してみます。

【100g中】 カイワレ ブロッコリ 豆苗
たんぱく質(g) 2.1 2.6 4.8
カリウム(mg) 99 160 210
カルシウム(mg) 54 91 18
鉄(mg) 0.5 1.0 1.0
亜鉛(mg) 0.3 0.3 0.6
カロテン(μg) 1,900 2,720 4,700
レチノール当量(μg) 160 227 390
ビタミンC(mg) 47 50 74
ビタミンK(μg) 200 273 320
葉酸(μg) 96 100 150
食物繊維(g) 1.9 1.8 3.1

結論

スプラウトは栄養の宝庫。種の状態よりも成長した状態よりも新芽の状態が一番栄養価に優れていて、しかも安いし食べやすいので、スーパーで見かけたら、買うべし!買うべし!買うべし!

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