明日葉の茎を折るとネバネバした黄色い汁が出てきます。この汁は手や衣類につくとなかなか取れないというほど強力な色素で、明日葉を見分けるための大きな特徴にもなっています。
また、この汁は虫を寄せつけず、明日葉の折れた傷口をすばやく覆って保護する役割も担っているといわれています。
今回は、この不思議な黄色い汁の正体に迫りたいと思います。
正体はカルコン
かつてこの黄色い成分はアントシアニンやルチンと考えられていましたが、のちにカルコンであることがわかりました。
カルコンは他の植物にはほとんど含まれていないため、明日葉オリジナルの成分とも言われています。
明日葉に含まれるカルコンはキサントアンゲロールと4-ヒドロキシデリシンで、いずれも鮮やかな黄色です。
すぐれた殺菌作用
カルコンには殺菌作用があるといわれています。八丈島の人々の間では、化膿を止め傷の治りを早くするとして重宝され、昔から切り傷や虫刺されなどにこの明日葉の黄色い汁が利用されていました。
かつて江戸などで天然痘が流行したときも、わざわざ八丈島から明日葉を持ち帰り治療に役立てたといわれており、現在はがんやエイズ、潰瘍などの抑制に有効といわれています。
身を守るための黄色い汁
では、なぜ明日葉の茎を折るとこの黄色い汁があふれ出すのでしょうか?
それは、さまざまな外敵から身を守るためです。黄色い汁を出して雑菌が侵入するのを防ぎ、傷口をすばやく修復するのです。
明日葉は人間に折り取られるだけでなく、他の動物や風によっても折れたり傷ついたりします。あるいは、虫がやってきて茎や葉をかじることもあれば、細菌やウイルスなどの脅威もあります。
つまり、明日葉がこのような環境下で自分の身を守っていくための成分がこの黄色い汁で、そうした力のある成分がたまたま人間の健康にも役立っているというわけなのです。
明日葉の茎を折ると出てくるネバネバした黄色い汁の正体はカルコンです。カルコンは他の植物にはほとんど含まれていないため、明日葉オリジナルの成分ともいえます。
この黄色い汁は、明日葉がさまざまな外敵から身を守るためのものです。明日葉自身が黄色い汁を出して雑菌が侵入するのを防ぎ、傷口をすばやく修復するのです。このため、明日葉は殺菌作用を持つとされ、八丈島の人々の間では、化膿を止め傷の治りを早くするとして重宝されてきました。
明日葉の強い生命力にはこんな秘密があったのですね。