古今東西で薬効の高い植物として珍重されてきたアロエですが、葉の中のゼリー状の葉肉と葉の硬い外皮とでは主成分が違うため、それぞれ別の目的に用いられています。
葉肉はやけどや切り傷に
ゼリー状の葉肉は主に外用薬として使われてきました。やけどや切り傷にあてておくとよいというのはよく知られていますが、これはアロエに含まれるアロエクチンBという成分に、傷の治りをよくし、細菌による感染を防ぐ作用があるからであると考えられています。
また、葉肉には保湿効果もあり、かのクレオパトラも美容のためにアロエのローションを愛用していたといわれています。
[スポンサーリンク]
胃腸薬・便秘薬にも使われている外皮
葉の外皮の部分は、すりおろしたり煎じたりして内服薬として使われてきました。外皮に多く含まれているアロインやアロイノサイドなどのアロエの苦味成分が胃腸に働きかけ、消化不良・胃炎・便秘などに効果を発揮すると考えられています。これらの成分は日本やアメリカで医薬品として認められ、胃薬や便秘薬などに使われています。
人気急上昇中のアロエベラって?
アロエの中でも、近頃食用として急激に需要を伸ばしているのがアロエベラです。葉が肉厚で、中にゼリー状の部分がたっぷりあり、食用にされるのはこの部分です。
このゼリー状の部分には、アロインなどの苦味成分がほとんど含まれない代わりに、ムコ多糖類という成分が多量に含まれています。
ムコ多糖類を食品として摂った場合の効果についてはさまざまな研究が進んでおり、やけどや傷を治すように消化器官の潰瘍も治す作用、免疫力強化作用、抗腫瘍作用が認められたという研究結果が出ています。
古いけれども新しい
古い歴史を持ちながら、新しい健康効果がどんどん明らかになってきているアロエ。今後も要注目です。