甘茶はユキノシタ科のガクアジサイの変種で、その若い葉を蒸して揉み乾燥させたもの及びそれを煎じて作った飲料のことを指します。
ウリ科のつる性多年草であるアマチャヅルの葉または全草を使った茶も甘茶と呼ばれることがありますが、前者を使ったものが本来の甘茶です。
飲料としての甘茶は、灌仏会(花祭り)の際に仏像に注ぎかけるものとして古くから用いられています。
甘茶の特徴
甘茶最大の特徴はその甘さにあります。甘茶の甘さはフィロズルチンやイソフィロズルチンによるもので、その甘さは砂糖の約400倍あるいは600~800倍、サッカリンの約2倍といわれています。
また、甘茶はカフェインやタンニンを含まないうえにノンカロリーでもあるため、子どもからお年寄りまで安心して飲むことができる体にやさしいお茶といえます。
甘茶に期待できる効果・効能
甘味による効果
- 防腐効果
- ダイエット効果
- 糖尿病療法
サポニンによる効果
- 鎮静作用による精神安定効果
- 内臓器官の働きを高める効果
甘茶メタノールエキスによる効果
- 抗アレルギー作用
- 抗酸化作用によるアンチエイジング効果
- 抗菌作用による歯周病予防
- 口臭予防
なかでも特に注目されているのが抗アレルギー作用で、花粉症やアトピーに対しては市販薬にも匹敵する効果があるといわれています。また、甘茶を入浴剤として利用してもアトピーに有効とされています。
美肌効果
保湿・柔軟・消炎作用があるため、化粧品の原料としても利用されています。
甘茶をおいしく飲むポイント
- 1リットルのお湯に対し2~3g程度の甘茶の茶葉を使用します。
- 急須やマグカップに甘茶を入れたら、お湯を注いで2~3分待ち、その後茶葉を引き上げます。
茶葉は2~3回使えますが、長時間煮詰めるとタンニンの苦味が出てきてしまうので注意が必要です。
甘茶は昔から食用とされてきた植物で毒性はないと考えられていますが、濃すぎる甘茶を飲むと中毒を起こして嘔吐するい恐れがあるとされているため、厚生労働省は濃い甘茶の飲用を避けることを推奨しています。甘茶の茶葉の量は、緑茶などに比べて少なめを心がけましょう。