サケは「捨てるところのない魚」といわれています。卵のスジコやイクラはもちろん、氷頭(ひず)と呼ばれる頭の軟骨や皮、頭、アラ、中骨、腎臓なども料理に活用できる魚ですから、ぜひ1尾まるごとむだなく食べ尽くしましょう。
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身の部分にはあのアスタキサンチンが!
昨今では、サケの赤い身に含まれるアスタキサンチンという成分に注目が集まっています。この成分に抗酸化作用があり、活性酸素の害から体を守ってくれることがわかってきたからです。
脂肪には、血液をサラサラにするIPA(イコサペンタエン酸)と、脳の細胞を活性化するDHA(ドコサヘキサエン酸)も豊富で、老化・ガン・生活習慣病予防に最適です。
また、タンパク質や脂質の代謝を助けるビタミンB6も多いため、ほかの魚肉より消化・吸収がよいという特徴もあります。
ビタミンA・ビタミンD・ビタミンEやカルシウム、そして味覚を正常に保つ亜鉛などのミネラル類も、期待できるだけの量が含まれています。
野菜や果物と一緒に摂ろう
サケにはさまざまな栄養素がバランスよく含まれていますが、ビタミンCや食物繊維の摂取は期待できません。緑黄色野菜や果物で、不足する栄養素をカバーしましょう。
家庭では火を通して食べるのがベター
サケの身にはアニサキスという寄生虫の幼虫がついていることがあり、これによって腹痛や嘔吐を起こすことがありますが、アニサキスの幼虫は、加熱したり、塩水につけたり、マイナス20度以下で冷凍したりすれば死滅するといわれています。
塩でしめたものは酢の物、一度しっかり冷凍したものはルイベ(凍ったまま薄切りにしたもの)やマリネなどにして食べることもできますが、最も確実な防御法はやはり加熱することです。家庭では生食を避けるほうが無難です。