栃の実には、カリウムやナトリウム、カルシウム、食物繊維などが含まれています。
栃の実の効能
栃の実は、栃の木というトチノキ科トチノキ属の植物の種子で、殻の中にある実です。栗に似ていますが、栗より丸みがあり、アク抜きをしなければ食べられません。アク抜きされたものは、主にとち餅として食べられるほか、饅頭やせんべいなどに利用されます。
栃の実にはミネラルが比較的豊富に含まれており、そのなかで最も目立つのはカリウムです。カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排泄を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があるとされ、高血圧を予防する効果があると考えられています。カリウムは煮ると30%ほど損失するため、煮汁ごと食べられる料理にするのがおすすめです。
ナトリウムも、細胞内外の物質交換や細胞の浸透圧、水分調節、体液のpH、神経の刺激伝達、心筋の弛緩促進など多くの大切な役割を担っていますが、日常的に過剰摂取すると生活習慣病を招くおそれがあるため、注意が必要です。
その他、カルシウムには骨の強化やイライラ予防、食物繊維には善玉菌の活性化や整腸作用があると言われています。
栃の実の旬は秋で、乾燥させてから密閉容器に入れ、常温で保存すれば1ヶ月以上もちます。
栃の実の人気&簡単レシピ
栃の実の調理法
アク抜きに多大な手間がかかる一方、湿疹やしもやけの緩和、胃腸の調子の改善、脂肪の抑制など、多岐にわたる効能の持ち主。そんな栃の実の調理法を伝授。食べるまでに費やした労力が報われるおいしさです。栃の実の苦みはサポニンとタンニンによるもので、これらには皮膚トラブルを助ける働きがあります。粉末状にしたものや煎液を、しもやけ、腫れ物、水虫などの治療に利用されてきたようですよ。
とちもちぜんざい
鳥取県中部の三朝町に伝わるという、正月の伝統料理です。栃の実と小豆汁が絶妙で、甘くてほろ苦い大人の味わい。栃の実に含まれるポリフェノールには、糖質の吸収を抑える働きがあり、血糖値上昇の予防に役立つ他、脂肪の吸収を抑制する効果も期待できます。
栃餅の作り方
アレンジ自在!栃餅がとっても簡単に作れます。あんこがお好きな方なら、あんこを包んであんこ餅にしてもOK。栃の実は冷えが原因の腹痛や、腹部膨満感に効くなど、胃の健康を保つ作用に優れ、中国では漢方として重宝されています。また、抗酸化作用を持つポリフェノールも含まれているので、美容面にも効果を発揮してくれます。
栃の実の栄養成分表
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)に準拠しています。表の見方や注意事項は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)について:文部科学省のページを参照してください。
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- 栃の実(蒸し)の成分表 可食部100g当たり
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[ 成分表 ] 単位: /100g エネルギー 161kcal 水分 58.0g たんぱく質 1.7g アミノ酸組成によるたんぱく質 – 脂質 1.9g トリアシルグリセロール当量 – 飽和脂肪酸 – 一価不飽和脂肪酸 – 多価不飽和脂肪酸 – コレステロール (0)mg 炭水化物 34.2g 利用可能炭水化物(単糖当量) – 水溶性食物繊維 1.0g 不溶性食物繊維 5.6g < 食物繊維総量 > 6.6g 灰分 4.2g ナトリウム 250mg カリウム 1900mg カルシウム 180mg マグネシウム 17mg リン 27mg 鉄 0.4mg 亜鉛 0.5mg 銅 0.44mg マンガン 1.46mg ヨウ素 – セレン – クロム – モリブデン – ビタミンA(レチノール) (0)μg ビタミンA(α-カロテン) 0μg ビタミンA(β-カロテン) 0μg ビタミンA(β-クリプトキサンチン) 0μg ビタミンA(β-カロテン当量) 0μg ビタミンA(レチノール活性当量) (0)μg ビタミンB1 Tr ビタミンB2 0mg ナイアシン(ビタミンB3) 0.1mg ビタミンB6 Tr ビタミンB12 (0)μg 葉酸(ビタミンB9) 1μg パントテン酸(ビタミンB5) 0mg ビオチン(ビタミンB7) – ビタミンC 0mg ビタミンD (0)μg ビタミンE(α-トコフェロール) 0mg ビタミンE(β-トコフェロール) 0mg ビタミンE(γ-トコフェロール) 1.5mg ビタミンE(δ-トコフェロール) 0mg ビタミンK 1μg 食塩相当量 0.6g アルコール – 硝酸イオン – テオブロミン – カフェイン – タンニン – ポリフェノール – 酢酸 – 調理油 – 有機酸 – 重量変化率 – 廃棄率 0% () は推定値、 Tr は微量、 - は未測定
<備考>
試料: あく抜き冷凍品