情緒不安定ないわゆる「キレやすい」子どもが増えていることが大きな社会問題になっていますが、その原因として、家庭教育や社会の変化のほか、子どもの食生活の乱れもあると考える専門家も少なくありません。
食の乱れがもたらす心身の不調
1992年に東京都で小学校4年生を対象に行われた調査によると、およそ9割が心身に次のような不調があると答えたといいます。
- 眠い
- 横になって休みたい
- 大声を出したい
- イライラする
- 何もやる気がしない
また、非行の問題のある生徒に対して行われたある調査では、ほとんどが朝食を食べず、給食以外はスナック菓子を食べたり、インスタント食品で空腹をしのいだりと、家庭でしっかりとした食事をしていないことがわかりました。
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生活習慣病予備軍になる心配も
朝食を抜いたりスナックやインスタント食品に頼ったりしていると、カルシウム・マグネシウムなどのミネラルや各種ビタミンといった、心身の成長に不可欠な栄養素が不足しがちです。そのうえ、糖質・脂質・塩分の摂りすぎにもなりがちで、生活習慣病予備軍になるおそれも出てきます。
知識と経験は家族との会話から生まれる
また、食卓は単に栄養を摂るだけではなく、家族のコミュニケーションの場であることを見直す必要もあります。家族で食卓を囲めば自然に会話が生まれ、食事のマナーや食材の知識を得る場にもなり、食に関する興味も持ちます。こうした経験は子どもにとって一生の財産になるのです。
まずは親が意識を変える
親の関心が子どもの勉強や習い事にばかり向いてしまうと、基本的な生活習慣のしつけが疎かになってしまいます。まずは親が食生活の大切さを自覚し、食に関する知識を持ったり、家族で食卓を囲む機会を作ったりという努力をしてみましょう。