ふきはキク科フキ属の日本原産の多年草で、土の上には花芽と葉が出ていますが、茎の部分は地中に伸びているのが特徴です。
「ふき」と「ふきのとう」の違い
「ふき」というのは、その地下茎から出てきた葉の柄の部分にあたり、私たちが通常食べているのはこの若い葉柄です。
一方、「ふきのとう」は葉柄に先立ち早春に芽を出すふきの花のつぼみをいい、独特の香りと苦味をもっているため、春を告げる山菜の一つとして好まれています。
ふきは栄養価より香りと食感!?
ふきは、シャキシャキとした歯ざわりをしていますが、ほとんどが水分で、栄養素としてはカリウムを多く含みます。食べると食物繊維が多いように感じますが、食物繊維は可食部100g中1.3gと意外に少なく、栄養的にはあまり期待はできませんが、香りと食感が楽しめます。
デトックス効果にも期待大!?のふきのとう
これに対し、ふきのとうの栄養成分はビタミン(B群・C・E・K・葉酸)、ミネラル(カリウム、鉄、亜鉛)などが含まれ、食物繊維はごぼうより豊富とされています。また、フキノール酸、ケンフェロール、植物アルカロイドはふきのとうの苦味成分で、ポリフェノールの一種です。
ふきのとうは、咳止めや花粉症に効果があり、またデトックス効果もあるとされていますが、植物アルカロイドを多量摂取すると、人によっては下痢などを起こすこともあります。
ふきの利用方法
ふきは、山野に自生しているものを採取して、煮物・佃煮・天ぷら・おひたし・和え物などの料理のほか、保存用として水煮・味付・佃煮・塩漬・粕漬・味噌漬・砂糖漬などに利用するのが一般的です。
また、葉の部分を染め物にしたり、花茎や根茎を乾燥させて生薬にしたりという用途もあります。