アールグレイは紅茶のフレーバーティーの一種で、強い香りを好むイギリス人のために、龍眼を使って作られたラプサン・スーチョンという中国茶を真似てイギリスで作られたお茶です。
アールグレイとは「グレイ伯爵」という意味で、1830年代のイギリス首相である第二代グレイ伯、チャールズ・グレイのことです。一説には、中国の着香茶を贈られたグレイ伯がそれを気に入り、茶商にそれを模したお茶を作らせたのがその名の由来とされています。
茶葉も香りもしっかり主張
イギリスでは龍眼が手に入らないため、アールグレイにはダイダイとマンダリンオレンジの高雑種であるベルガモットが香りづけに使われました。茶葉は中国茶であるキーモンが使われることが多く、ダージリンもまれに使用されますが、ベルガモット自体の香りが強いため、どちらかというとしっかりした香りの茶葉が合うとされています。
アールグレイはホットで飲むと非常に落ち着く深い芳香が味わえますが、クセがあるため、万人に親しまれるというわけではありません。茶葉も香りもそれぞれがしっかりと主張しているため、ホットでもアイスでも味わいと香りを楽しめますが、香りが強すぎて飲みづらいという場合は水出しアイスティーがおすすめです。
アールグレイに期待できる効果・効能
アールグレイに使用されるベルガモットはアロマ精油としても人気で、紅茶自身が持つ抗菌作用などに加え、疲れた心を癒やし、リラックス効果をもたらすといわれています。
また、ホルモンバランスを整える作用もあるため精神安定に役立つほか、喉にもよい効果があるとされています。
さらに、ベルガモットから抽出されたHMGFという酵素には、悪玉コレステロールを減少させる働きもあるといわれています。
アールグレイのおいしい淹れ方(1人前:ティーカップ2杯分)
- 水道水300mlをやかんで沸かします。
- 沸騰し始めたお湯でティーポットとティーカップを温めます。
- ティーポットのお湯を捨て、茶葉6g(ミルクティーの場合は8g)を入れます。
- お湯が沸騰したら一気にポットに注ぎます。
- 1分ほど蒸らしたら茶こしを上げ、お湯を捨てたカップに紅茶を注ぎます。
アイスでもアールグレイの強い香りを楽しみたいという場合は、お湯で作ったものを冷ましてから冷蔵庫で冷やします。香りより清涼感を楽しみたい場合は、水を入れたティーポットに茶葉を入れ、一晩または4~5時間冷蔵庫に入れておきます。
アールグレイは個性の強いフレーバーであるため、砂糖などで味付けすると本来のバランスを崩し、おいしさが損なわれてしまいます。イギリスではミルクティーにしてアップルパイと楽しむのが一般的とされているようですので、一度試してみてはいかがでしょうか。