日本ではそれほどメジャーではないコイですが、中国ではごくポピュラーな魚で、昔から盛んに食べられています。
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漢方では肝やうろこも薬に
コイには、タンパク質・脂質のほか、ビタミン・ミネラルが多く含まれています。なかでも特にビタミンB1が豊富で、疲れやすい、イライラするなどの症状に有効です。
中国では、咳、黄疸、妊娠によるむくみ、尿の出が悪いといった症状や、産後の母乳の出をよくするなどの目的で昔から食べられています。また、身以外の部分も、肝は目の働きをよくする薬、うろこは痔の出血や鼻血を止める薬、血はできものの外用薬として利用されています。
理想的な調理方法は?
コイは、あらいにしてからし酢みそで食べるほか、鯉こく(コイの味噌汁)、甘露煮、中華では丸揚げの甘酢あんかけや蒸し物、洋風では赤ワイン煮などで食べるのが一般的です。
コイにはビタミンB1分解酵素のアノイリナーゼが含まれているため、生食をすると、豊富に含まれるビタミンB1が一部分解されてしまいます。ビタミンB1を効率よく摂取したい場合は、加熱処理がベターです。その点で、汁ごと食べられる鯉こくは特に理想的な食べ方といえます。
泥臭さが気になる場合は、濃いめの味つけにするとニオイが消え、食べやすくなります。
苦玉は絶対につぶさない
死んだコイは生臭いので、生きたものを使うのが原則です。1〜2日きれいな水に放ち、泥を吐かせてから用途に応じてさばきましょう。
さばくときは、胸びれの下あたりにある胆のう(苦玉)をつぶさないように取り除くことが肝心です。うっかりつぶしてしまうと、強い苦味が全体に回って食べられなくなってしまうので注意しましょう。