高齢なると、若いときより食事の量は減ります。
一方、身体は弱くなって病気にもかかりやすくなり、その結果いろいろな医薬品を服用する機会が増えます。
すると、通常の食事を行っていても必要量のミネラルはナトリウムを除くと不足してします。
高齢者はミネラル不足になりやすい
近年では、野菜などの食材自身にもミネラルの含有量が減少しているほか、インスタント食品や加工食品を食べることが多くなり、それらに多く含まれているリンがミネラルの吸収を阻害します。
更に、高齢者は食事の量の減少と医薬品の服用によって体内のミネラル他の栄養分が低減することが知られています。医薬品によるミネラルなどの栄養素の減少は、特定の医薬品が特定の栄養素の吸収を阻害すること、医薬品が胃腸のpHを上昇させ吸収を悪化させること、栄養素の排出が促進されることなどが分かっています。
ミネラルは相互作用で効果的に働く
人体に必要なミネラルは16種類あります。このうち主要ミネラルが「カルシウム、リン、カリウム、マグネシウム、塩素、ナトリウム」の6種類、微量ミネラルが「鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、コバルト、セレン、モリブデン、硫黄」の10種類です。
厚生労働省はこの内の13種類について1日の摂取量の基準を定めています。
ミネラル摂取量 | (1日あたり、成人男子換算値) |
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カルシウム | 380~660mg |
マグネシウム | 200~300mg |
リン | 1,100~1,300mg |
ナトリウム | 4,500~5,500mg |
カリウム | 2,000~3,200mg |
鉄 | 10~14mg |
銅 | 1.2~1.6mg |
亜鉛 | 8~20mg |
マンガン | 3~9mg |
セレン | 0.1~0.2mg |
クロム | 10~30μg |
モリブデン | 150~180μg |
ヨウ素 | 0.2~20mg |
ミネラルは相互作用して働くので、バランスよく摂取しないと良い効果が得られません。不足するミネラルによって、例えばカルシウムであれば骨がもろくなる、鉄が不足すれば貧血などの症状がでるように、さまざまな不健康な症状が出てきます。このようなミネラルバランスのことも踏まえると、多くの高齢者が慢性的なミネラル不足に陥っている可能性が高いと推測されます。
ただ、どのミネラルが不足しているのかは分かりにくいので、原因不明の体調不良にはミネラルが多種類含まれているサプリを摂取すると体調が良くなる可能性があります。