最近、シニアの方が自宅で熱中症にかかってしまったという話を聞くことが多くなりました。
夏になると、テレビのワイドショーでもおなじみの話題になります。
さて、自分の家にいながらにして熱中症にかかるっていったいどういうことなんでしょうか?
年齢を重ねると我慢強くなる?
50代以下のご夫婦で、夏、エアコンをかけるかけないで揉めるという方はずいぶん多いですよね。たいていの場合、ご主人は冷房ガンガンで寝たいのに奥さんのほうは冷房は止めて扇風機にしてほしいエアコンか扇風機かで揉めて結局は別の部屋で寝るという話をよく聞きます。
50代ぐらいまでは、このようにしてそれぞれが自分にちょうどいい温度を工夫して過ごせばいいわけです。ところが、50代からもっと年齢を重ねてくるとあんなに冷房好きだった男性もあんまり冷房を利かせなくても平気になってきます。だんだん我慢強くなってきたなんて思っている方はいませんか?
実はそれは鈍感になってきたのです。
女性はもともと冷房嫌いな人が多いのですが扇風機さえも嫌いになってしまう人もいます。シニアになると一晩中冷房も扇風機もなしで、しっかりパジャマを着てしかもその上、ごていねいにタオルケットや夏蒲団をかけて寝ている人が少なくありません。日中もなぜかベストを着込んでいる人もいます。
真夏の日中、一度は体温を測ってみましょう。
自分ではちょうどいいと思っていても体温が上がっていれば、着る物を薄くするなり室温を下げるなりして体温調節をしましょう。
命がけで節電する?
不思議なことに日本のシニア層には一晩中エアコンを使うことに罪悪感を持っている人もいます。確かに 日本では頻繁に真夏の節電を呼びかけています。誰もかれもが一晩中エアコンをかけっぱなしにしたら電力不足になるかもしれません。それに一晩中エアコンを使うと電気代がばかにならないのも事実です。でも、熱中症は時には命に係わることもあります。命がけで節電するのも奇妙な話だと思いませんか?暑さ寒さに耐えるべきは若い人たちです。シニアになったら、少し楽をさせてもらいましょう。
室温の基準は28℃
今、日本では真夏の節電を呼びかけています。オフィスでも店舗でも真夏の室温を28℃に保つことを推奨しています。実は、若い人にとって室温28℃は少し暑いのです。でも、そこを少し我慢して28℃以下になるような冷房は慎みましょうということです。28℃という温度はシニアの住まいにも当てはまる温度です。シニアの場合には、せめて室温28℃になる程度には冷房されることをおすすめします。年齢を重ねてくると暑さに鈍感になってしまうばかりかあまり汗をかかなくなってしまいます。汗をかかないんだから、暑くないんだと思ってはいませんか?でも、これは大きな勘違いです。汗をかく機能が衰えているのであってひょっとしたら体は悲鳴をあげてるかもしれません。。
だったら、何を基準に室温設定したらいいんでしょうか?っていうときの基準の温度が28℃なのです。シニアの住まいには温度計はかかせないものです。
グリーンカーテンを作ろう
健康な生活に適度な日照が必要だということは常識ですし、家屋はできる限り日照を確保するように設計されています。ところが、夏場になるとこの日照が私たちを苦しめます。そこで、最近提唱されているのがグリーンカーテンです。家の広い開口部にゴーヤなどつるがある植物を栽培して、そのつるで緑色の日よけを作ろうというのです。これなら、通風を確保しながら部屋に影をつくることができます。園芸が趣味の人にとっては楽しみながら部屋を涼しくできる一石二鳥のグッドアイデアです。
園芸嫌いのシニアだってグリーンカーテンは作れる?
植物を育てて涼を得ることは本当に素晴らしいことです。でも、そんな環境もない場合や、中には土いじりが嫌い、虫が嫌だという人だっています。そんな人にもグリーンカーテンをおすすめしたいんです。そのものずばり、濃い緑色のレースのカーテンです。普通レースのカーテンは白が多いのですが、これを思い切って濃い色のレースに変えてみてください。緑色でなくても寒色ならOKです。通風を確保しながら部屋の中に影を作ることができます。それに、緑色やきれいなブルーのカーテンが風にひるがえる様子はとても気持ちのいいものです。
また、ブラインドやすだれなども通風を確保しながら部屋の中に影を作ることができます。お家の雰囲気によっては昔ながらのよしずも日照を緩和することができます。最近は、立てかけ式のシェードも販売されています。これなら本当にただ立てかけるだけで室温を下げることができます。
開けっ放し厳禁
涼しく過ごすのに一番簡単でしかもお安く上がるのが開けっ放しです。南北に開口部がある家では、この開口部を開けっ放しにしておくと適度な風通しが確保できて、けっこう涼しく過ごせます。マンションの高層階などでは日中でも冷房いらずで過ごせることもあります。日中はこれで過ごせるなら最も健康的な過ごし方です。ただし、夜間の開けっ放しはとても危険です。いつ、不埒物が侵入してくるかわからないのです。日中でも玄関を無施錠で過ごしたり、まして開けっ放しはとても不用心なものです。油断大敵!戸締りはきちんとしましょうね!