食卓にのぼる魚料理はさまざまですが、たいていどの魚でも、食すのはおいしくて食べやすい身の部分だけという人がほとんどではないでしょうか。しかし、血合いや目玉といったちょっと食べづらい部分にこそ、栄養が豊富に含まれているのです。
血合いはこんなに栄養豊富
魚の身の部分は良質のタンパク質からなり、筋肉や皮膚など体を構成するアミノ酸などの供給源ともいえる部位ですが、血合い・皮・頭などの部分は、身に比べて独特の臭みや食べにくさがあり、多くの人から敬遠されがちです。
しかし、血合いにはタンパク質のほかビタミンB1、鉄、亜鉛が多く含まれ、皮にはビタミンA・B2、小魚などの頭にはカルシウムやリンなどが豊富といわれています。
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目玉はかつて滋養強壮にも
魚の目玉の部分にはEPA・DHAなどが含まれ、記憶・学習能力の向上、生活習慣病の予防などに有効とされていますが、そのほかにビタミンB1も多く含まれています。実際、ビタミンB1の生産が不十分だった太平洋戦争中には、兵士の滋養強壮のため、魚からくり抜いて乾燥させた目玉が戦地に送られていたようです。
ビタミンB1と疲れ目との関係性
目玉にビタミンB1が多いというのは、おそらくヒトにおいても同様の可能性があるとされています。それを裏付けるエピソードとして、食糧難の時代、ビタミンB1分解酵素のアノイリナーゼを含むワラビを多食する地方では、目のかすみなどの症状の訴えが多かったという記録があります。
現代人特有の目の疲れにも?
したがって、勉強・読書・パソコン・スマホの長時間作業などで、目がかすんだり疲れやすかったりという症状が出る人は、もしかしたらビタミンB1不足に原因があるのかもしれません。
ビタミンB1は、豚肉・うなぎ・たらこ・玄米・枝豆などに多く含まれているので、意識して摂ってみてはいかがでしょうか。