朝鮮半島の伝統の味・キムチは、今や日本でも大人気の食品です。独特のうま味と風味が受け入れられたのはもちろん、栄養学的にもさまざまな効果があることが明らかになったため、健康食品としても注目の的となっています。
かつては冬の栄養源だった保存食
キムチは、塩漬けにした野菜を赤唐辛子やにんにく、果物、塩辛などの魚介の発酵品などと合わせて本漬けし、発酵させたものです。代表的な白菜キムチのほかにも種類は多く、素材や漬け方の違いで無数のバリエーションがあります。
また、かつてのキムチは、野菜が不足しがちな冬に備える保存食であると同時に、ビタミン・ミネラル源、食物繊維源としての役割も果たしていました。
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おいしさの秘密は乳酸菌の発酵作用にあり
キムチを漬け込むと、野菜に付着していた乳酸菌が発酵します。この乳酸菌発酵により、キムチ独特のうま味と風味が生まれます。この発酵作用は、味をよくするだけでなく、ビタミンB群をはじめとするビタミン類を作り出す働きもします。キムチには、材料となる野菜や小魚、塩辛などのビタミンやミネラルが豊富に含まれていますが、発酵によってさらにこれらの栄養価がアップするのです。
ヨーグルトの乳酸菌とは別物!?
また、キムチは乳酸菌含有量が他の漬物類に比べて抜群に多いのも特徴です。キムチに含まれる乳酸菌については、まだはっきりとわかっていないことが多いようですが、ヨーグルトなどの乳類の乳酸菌とは違う種類であると考えられています。ただし、キムチの乳酸菌の中に、胃液で死なずに腸まで生きて達するものがあれば、腸の腐敗菌を抑えてお腹の調子を整える働きも期待できます。
今後の研究に要注目!
このように、実に理にかなった健康食品であるキムチ。今後どんどん新たな効果が明らかになるのを期待したいものですね。