梅は他の果物と違って酸が強いため、生で食べることはまずありません。梅干し・梅酒・梅ジャム・シロップ煮などに加工して利用するのが一般的です。
豊富なクエン酸が健康のカギ
梅の加工品では、ビタミン・ミネラルなどの栄養素はほとんど期待できませんが、最もポピュラーな加工品である梅干しは例外で、殺菌・食欲増進・疲労回復・整腸・老化防止などに有効なクエン酸が3〜4%も含まれています。
中国や日本では、栄養学が確立するずっと以前から梅を食薬として珍重していましたが、先人たちはクエン酸の多くの働きを経験から知っていたものと思われます。
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腐敗防止や臭み消しにも
梅干しには多くの利用法があり、たとえば、夏場の弁当のごはんやおにぎりに入れれば、腐敗防止になります。
また、イワシやサンマの料理に使うと、臭み消しや酸化防止などに役立ち、特に、小ぶりのイワシを骨つきで梅干しといっしょに煮た料理などは、魚が骨ごと食べられるので、カルシウムの補給にもつながります。
そのほか、湯を注いで飲めば口臭消しに、刻んだショウガやネギを加えて飲めば、疲労回復や風邪の初期症状の緩和に効果的です。
青梅の生食は絶対NG!
梅の種の中にある核には青酸配糖体が含まれており、核が割れると同時に青酸ができます。昔から「青梅を生で食べると中毒を起こす」といわれるのは、未熟な梅ほど核が砕けやすく、果肉のほうまでしみ出てくる心配があるからです。したがって、青梅の生食は厳禁です。完熟梅は問題ないといわれていますが、生食は避けましょう。
食べすぎは塩分過多の原因に
また、健康食品の梅干しでも、食べすぎると胃液の分泌が過剰になったり、塩分の摂りすぎにつながったりするので、1日1〜2個程度にしておきましょう。