減塩への意識が高まる昨今、そろそろ自分も気をつけなければと思っても、何から始めたらいいのかわからないものですよね。また、塩辛い味つけに慣れている人が突然薄味の料理に変えても、おいしさが感じられなくて結局長続きしません。そこで、無理をせず少しずつ減塩料理に慣れていくコツをご紹介します。
柑橘類や酢の酸味を利用
まず、塩で味付けをする代わりにレモン汁をかけるなど、柑橘類の酸味や酢の味つけの果たす役割が減塩につながります。
人間の舌は、同じ塩分でも酢が使われているほうが塩味を濃く感じます。実際、同じ濃度の塩水に少しずつ酢を加えて割合を変えたものをなめてみると、酢の割合が多いほうがしょっぱさを強く感じるはずです。この錯覚を利用すれば、中華料理のような酸味のあんでからめた料理は、塩分を抑えることができます。
ほかにも、
- 味噌を控えた味噌汁にかぼすやすだちをしぼって香りを添える
- 醤油をかけたい漬物にすだちをしぼる
- エビフライにレモン汁をかけ、ソースは少ししか使わない
などの工夫ができます。
リンゴとの食べ合わせで減塩&ダイエット
また、カリウムを豊富に含む食品と一緒に食べるのも有効です。というのは、カリウムには塩分を体外に排出する働きがあるからです。
カリウムはじゃがいもやきのこ類などに多く含まれているので、ポテトサラダやオムレツなどに入れて食べるのもいいのですが、簡単でおすすめなのがリンゴです。リンゴには食物繊維のペクチンもたくさんあり、低カロリーなのに満腹感が味わえるというスグレモノですから、デザートに組み込み、そのぶん食事量を減らせば、塩分とカロリーの両方をカットした健康食になります。
野菜たっぷりの味噌汁でおいしくヘルシーに減塩
塩分は控えめにというとき、真っ先に槍玉に上がるのが味噌汁ですが、飲むのをやめたり減塩味噌に変えたりしなくても、塩分を控える工夫はいくらでもあります。
よく知られているのが、だしをしっかりとってあれば、塩分は薄くても味が濃く感じるということです。これなら、使う味噌の量が自然と減ります。
また、具に野菜をたっぷり使えば、野菜から出るだしでうま味が増し、具が多い分飲む汁の量が少なくなるので、おいしく食べながら減塩できます。
香辛料で味に変化を
酢や柑橘類以外で塩の使用量を控えられる味つけの工夫としては、カレー粉・ショウガ・ワサビなどの香辛料を上手に利用するというのがあります。それぞれのメリハリが生まれ、味の薄さを感じさせません。これを踏まえて、献立にも工夫ができます。
メニューのなかで、一品だけは普通の味つけにして、ほかの料理は塩分を控えめにしておき、酢や香辛料で味の変化をつければ、薄味が気にならない献立になります。
魚卵の食べすぎに注意!
サケの卵であるスジコやイクラ、スケトウダラの卵のタラコ、ニシンの数の子、ボラのカラスミ、チョウザメの卵であるキャビアなど、魚卵は日本人に大変人気の高い食品です。魚卵は栄養価も高く、なかでもタラコはビタミンB1・B2を豊富に含んでいます。
ただし、おいしくて栄養があるからといって、食べすぎはよくありません。コレステロールだけでなく塩分もたくさん含んでいるため、栄養素として摂るより、嗜好品の一つとして楽しむ程度にとどめておくことが肝心です。