ちょっと体調が崩れるとすぐに現れる肌荒れや口内炎。その原因には、偏った食生活やストレスのほかに、免疫力の低下も関係しています。
「肌荒れ」「口内炎」とは?
肌荒れとは、皮膚の再生サイクル(ターンオーバー)の乱れやストレスなどで、皮膚の免疫機能が低下して起こる、肌がカサカサと乾燥して化粧のノリが悪い、吹き出物ができるなどのトラブルのことをいいます。
一方の口内炎は、過労やストレスで口内の粘膜の免疫力が低下しているときに、ウイルスに感染しやすくなって発症するものです。
皮膚の免疫力が低下すると
皮膚の再生サイクルは通常約4週間です。このサイクルが乱れると、皮膚の表面の角質細胞が古いまま残って、肌のバリア機能が低下し、雑菌などの異物の侵入を防げなくなるのです。
意識して摂りたい栄養素は?
肌荒れや口内炎を予防・改善するには、皮膚と粘膜の免疫機能を高めて健康に保つ働きのあるビタミンAを摂ることが大切です。ビタミンB2・B6も皮膚や粘膜の再生を促進します。
また、腸内の善玉菌を増やすのもポイントです。というのも、善玉菌が体内でビタミンB2・B6を作るので、善玉菌の減少はこれらの栄養成分の不足につながるのです。
では、免疫力を高めて皮膚と粘膜のバリアを強化するには、どんな食品が有効なのでしょうか?
レバー
レバーは牛・豚・鶏などの肝臓で、ほかの部位に比べて低カロリーで、良質なタンパク質・ビタミン・ミネラルが豊富です。なかでも鶏レバーは、皮膚や粘膜の免疫力を強化し、肌荒れや口内炎の改善に役立つビタミンAがどのレバーよりも多く含まれています。
レバーは粘膜の免疫力を高めるので、風邪や鼻炎、眼精疲労などの改善にもおすすめです。また、ミネラル成分の鉄が赤血球の成分となって、全身に酸素を運ぶのを助け、貧血や冷えなども予防します。
納豆
皮膚や粘膜の再生を促進するビタミンB2の含有量は、ゆで大豆の約6倍にもなります。
また、多彩な栄養成分を含み、免疫力全体を上げるのに有効な食品です。納豆菌が善玉菌を増やして腸内環境を整備するのに加え、酵素・ナットウキナーゼを生成し、血液をサラサラにして代謝を高めます。さらに、大豆イソフラボンや、細胞の代謝を促進するアミノ酸・アルギニンも皮膚や粘膜、細胞の免疫機能に有効に働きます。
さば
優れた栄養成分を持つ魚の一つで、皮膚や粘膜強化に有効に働くビタミンB2・B6が豊富です。ビタミンB6が働くためには、同時にビタミンB2が不可欠なので、その意味でもバランスのよい食材といえます。
また、免疫細胞の材料となって免疫力を高めるための、良質なタンパク質源にもなります。
脂にもEPA・DHAという、体内で合成できず不足しがちなオメガ3系の多価不飽和脂肪酸が含まれ、血液をサラサラにする働きをします。
健康状態を映す鏡
ちょっとした不調ですぐに肌荒れや口内炎が現れることからもわかるとおり、皮膚や粘膜はまさに健康状態を映す鏡といっても過言ではない重要な部位です。日常生活を見直すとともに、ビタミン類を積極的に補充して、皮膚と口内の粘膜の強化に努めましょう。