疲れたり思い通りに事が進まなかったりすると、イライラしたり眠れなくなったりするものですよね。
これは、脳の神経伝達機能の低下により、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているからではないかと考えられています。
神経伝達物質はなぜ不足する?
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞がセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を放出し、情報が手足の末端まで伝達される仕組みになっているのですが、この伝達物質の不足などで情報伝達がうまくいかないと、脳が興奮して抑制がきかなくなるのです。
神経伝達物質が不足する原因には、不規則な生活や食生活の乱れが挙げられるため、イライラや不眠の改善は、まず食事から見直すことが大切です。規則正しい生活を心がけるのと同時に、次に挙げる食品を参考にして、神経伝達物質を作る良質のタンパク質や分泌に関わるカルシウムなどの栄養素を積極的に食事に取り入れていきましょう。
豆腐
豆腐には、良質のタンパク質やミネラルなど、大豆の優れた成分がぎっしりつまっています。また、扱いも簡単で手軽に栄養を摂ることができるのも魅力のひとつです。
豆腐に含まれるタンパク質は、精神を安定させるセロトニン、幸福感や意欲を高めるドーパミンという神経伝達物質の生成に関わっています。また、カルシウムはその神経伝達物質を分泌するときに必要な栄養素ですので、しっかり摂って神経を安定させましょう。
レタス
古代ギリシャなどで安眠に効果的な野菜として食べられていたといわれるほど、古くからその鎮静作用が知られていたレタス。約95%が水分なので、栄養価はさほど高いとはいえないものの、カルシウムやカリウム、鉄などのミネラルやビタミンC・E・Kに加え、抗酸化作用のあるβカロテンなどもバランスよく含んでいます。ビタミンEが血行を促進して免疫細胞の働きをサポートするほか、ビタミンKがタンパク質の生成を助け、脳の神経伝達物質の働きを活発にしてくれます。
桜えび
えびには、良質なタンパク質や細胞の再生を促す亜鉛、疲労回復やデトックス作用を高めるタウリンが豊富なだけでなく、ほかの魚介類に比べて低脂肪なのも魅力です。
特に、殻ごと食べられる桜えびはカルシウムが豊富に摂れるので、イライラ解消にはもってこいの食材です。また、殻の成分であるキチン質は、抗ガン作用・腸内環境整備・細胞の免疫力や自然治癒力を高める有効成分で、アスタキサンチンは強い抗酸化作用を持つ色素です。
食べ合わせやタイミングも重要!
豆腐は卵などビタミンDを含む食品と合わせて摂ると、カルシウムや、神経を正常に働かせるリンの吸収を高めてくれます。
レタスは油と調理すれば、抗酸化作用のあるビタミンEやβカロテンの吸収率がさらにアップします。
桜えびは、卵に含まれ、安眠を促すトリプトファンや鎮静効果のあるカルシウムなどと一緒に摂ると、神経を鎮める作用が高まります。また、えびに含まれるアミノ酸の一種グリシンには睡眠の質を向上させる作用があるので、夕食時に食べるとより効果的です。