ダイエット中は、過剰摂取を避けるあまり、かえって必要な栄養素まで不足してしまいがちです。カロリー制限をしている最中でも、エネルギー源はバランスよく摂るよう心がけましょう。
タンパク質は動物性と植物性を半々で
日本が世界有数の長寿国になったのは、食生活に負うところが大きいといっても過言ではありません。ここまで平均寿命を押し上げてきた世代は、米飯に小魚、豆腐や油揚げといったお惣菜を食べて育った世代です。この世代のタンパク質を動物性と植物性の比率で見るとほぼ半々で、このバランスのよさが健康で長生きの秘訣だったということがわかります。
現在の日本では、最長寿県の沖縄にその傾向が顕著です。たとえば、豆腐チャンプルーのような豆腐料理、ラフテーのような脂をしっかり抜いた豚肉料理などからわかるように、植物性タンパク質と脂肪を抜いた動物性タンパク質を、バランスよくたっぷり摂ることのできる食事のおかげというわけなのです。
糖分は自然に近い形のものがベター
太るからと敬遠される甘味も、体に必要な三大エネルギー源(糖質・脂質・タンパク質)の一つです。過剰摂取になるのは問題ですが、まったく摂らないのも問題ですから、ほかの栄養素とバランスよく摂ることが必要です。
砂糖は、精白された白いものより、黒砂糖やハチミツのようにより自然の形に近いほうが、ミネラルやビタミンを多く含んでいるので、健康のためにはベターです。
料理やお菓子作りには、カルシウムを豊富に含んだ黒砂糖を使うのがおすすめです。
カロリー制限中のアミノ酸摂取は大豆食品から
アミノ酸のうち、人間の体内でどうしても作ることができず、食品から摂取するしかない8種類が必須アミノ酸ですが、これらがまんべんなく含まれていて、タンパク源として優れているといわれているのが肉類です。
植物性タンパク質を含む食品では、この必須アミノ酸の含有量にバラつきがあり、いくら菜食が健康のためにいいといっても、栄養バランスを欠くことになる場合も多いものですが、大豆は「畑の肉」と呼ばれる通り、肉並みに必須アミノ酸がまんべんなく含まれています。
カロリー制限をしたいときには、大豆食品で栄養補給しましょう。
控えめの夕食でもタンパク質はしっかりと
体づくりは、夜の睡眠中のほうが効率よく進みます。これは、骨・筋肉・血管など、体の細胞の大部分であるタンパク質生成に関しても同じです。
したがって、夕食のときに良質のタンパク質を摂取するのが、健康な体づくりには欠かせません。夕食は控えめにしているという人でも、タンパク質だけはしっかり摂らないと、病気の原因にもなりかねないのです。
タンパク質はビタミンB群と一緒に摂るのが鉄則
しかしながら、タンパク質は、単独で摂取してもあまり意味がありません。食品から摂ったタンパク質を筋肉に変えるには、ビタミンB群が必要になります。
牛ヒレ肉・鶏ササミ・カツオなどの動物性タンパク質、豆腐・納豆のような大豆製品の植物性タンパク質のどちらを摂るときも、ビタミンB群を含むホウレンソウや玄米とともに摂取すると効果がアップします。
たとえば、うなぎや牛乳はタンパク質とビタミンB群のどちらも豊富だということを覚えておくと便利です。