ふきには、食物繊維やカリウム、クロロゲン酸が含まれています。
ふきの効能
ふきの独特の苦味には、喉の炎症を鎮める効果や胃の調子を整える作用があるといわれており、香りには食欲を増進させる効果があるとされています。中国でも、古くからふきは民間療法で痰を切り咳を止める薬用として認められています。漢方では、咳止め、痰切り、毒消しなどフキの薬効が昔から認められており、食中毒予防の効果が期待できます。
ふきは、細胞の突然変異を抑制するクロロゲン酸を含むため、抗ガン作用が期待できます。クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、活性酸素を抑制します。脂質の酸化を防止し、老化を防止する働きがあります。
茎や葉には食物繊維が含まれ、高血圧や大腸ガンなど生活習慣病の予防に効果があるといわれています。腸内の有害物質の排出を促進するので、便秘解消に有効です。
また、豊富な水分とカリウムで、過剰なナトリウム(塩分)を排出し、高血圧予防や利尿を促す作用もあります。
ふきの人気&簡単レシピ
ふきは、日本原産の耐寒性に優れた植物で、地下茎で繁殖し、全国各地の野山に野生種が自生しています。ふきの葉柄、つぼみともに古くから食用とされていて、冬に黄色い花を咲かせるため、冬黄(ふゆき)と呼ばれていたのが転じて「ふき」という名がついたという説もあります。
ふきの種類は、本州の岩手県以南から九州・沖縄に分布するふきと、北海道から東北北部に多く分布する大型種の秋田ふきがあります。
キク科のふきは、歯ざわりのよさと、さわやかな香りが食欲をそそる野菜です。栽培もののほか、春には野生のものが流通します。ふきは根茎を地中にはわせ、その先端からつぼみである「ふきのとう」が出て、花が咲く頃に葉が開き、葉柄も伸びます。
ふきのとうも食用にしますが、ふきのとうは別の記事で紹介します。この記事では、春に伸びる若い柄や葉を食用とするふきを説明しています。
ふきの旬は、4月から6月で、主な産地は、愛知や大阪などです。ふきの選び方は、根もとのほうを持ってみて、しなりが少ないものが上質です。葉つきの場合は、葉が少しでも新鮮なものものが良いでしょう。ふきは鮮度が落ちやすいので、その日のうちに使いきるようにしましょう。残ったものは、ゆでてから冷蔵庫で保存すると2日くらいは日持ちします。
ふきの調理法は、苦味があるので、茎は板ずりして熱湯でゆでて、冷水で冷やしてから筋をとってから、炊き込みご飯や含め煮などにします。葉は佃煮にしたり、茹でて水にさらしてから煮物にしたりします。加工品では、きんぴら、煮物、きゃらぶき、酒粕漬、みそ漬などがあります。