かぶせ茶は玉露と煎茶のちょうど中間にあたる緑茶です。苦味や渋味が苦手な方でも飲みやすいお茶で、健康にも美容にも高い効果が期待できるといわれています。
リラックス効果
かぶせ茶に含まれるテアニンには気持ちをリラックスさせる効果があるといわれています。実際にテアニンを摂取した後に脳波を調べると、脳の広範囲にわたってα波が増大しているとのことです。そのため、ストレス解消にもつながると考えられています。
風邪予防
かぶせ茶に含まれるカテキンはポリフェノールの一種で、細菌を殺菌したり、細菌が出す毒素を解毒したりする働きがあるといわれているため、風邪やインフルエンザの予防に役立つと考えられています。
また、カテキンには血中コレステロール値の低下、体脂肪減少、がん予防、抗酸化作用、虫歯予防、血圧上昇抑制作用、口臭予防などの効果も期待できます。
アンチエイジング
かぶせ茶にはビタミンCが含まれているため、アンチエイジング効果も期待できます。野菜に含まれているビタミンCは熱に弱いのに対し、かぶせ茶に含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特長といわれています。
かぶせ茶をよりおいしく飲むポイント
一人あたり3~4gの茶葉を使い、うま味を引き出すには約60度、苦味・渋味を出すには約80度のお湯を使います。一度沸騰させたお湯を急須と湯のみの間で入れ替えることで温度が下がります。また、これによって湯のみを温めることもできます。
お湯を入れた後の急須は振らずに待ちます。甘味がほしい場合は90~120秒、苦味・渋味を効かせたい場合は40~60秒時間を置きましょう。
複数人数分のお茶を用意した場合は、濃さが均一になるように、人数分の湯のみにお茶を入れていき、もう一度継ぎ足していきます。これにより、味の濃さが均等になります。
ちなみに、玉露とかぶせ茶の違いは、栽培時の遮光率とそれによる成分の含有率です。玉露・かぶせ茶とも日光を遮って栽培しますが、玉露の場合は新芽が出始めてから、あるいは茶摘みの約3週間前から日光を遮るのに対し、かぶせ茶は茶摘みの一週間前から10日前後にこれを行います。
茶葉は日光を浴びて光合成を行うことで渋味成分のカテキンが増加しますが、逆に遮光すると光合成が抑えられることによってカテキンの増加も抑えられ、その分うま味成分であるテアニンの量が増えます。
このような調整を行うため、同じ緑茶でも成分の含有率や味に違いが出てくるというわけなのです。