今や日本人の約25%がかかっているといわれる花粉症は、体の免疫機能の異常が引き起こす症状です。
どうすれば、免疫機能を正常に保ち、花粉症の不快な症状をやわらげることができるのでしょうか?
花粉症のメカニズム
花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が喉や鼻から体内に入って起こるアレルギー性の病気をいいます。花粉が体内に入ると、体はまず受け入れるかどうかを判断し、受け入れないと判断した場合に、花粉に反応する物資(抗体)を作ります。
そして、再び体内に花粉が入ったときに鼻や目の粘膜にある肥満細胞の抗体と結合し、ヒスタミンなどの化学物質が分泌され、花粉を異物とみなして排除します。その際、免疫機能が過剰反応して、くしゃみや鼻づまりなどの症状を引き起こすというわけです。
原因は何?解決策はある?
発症原因ははっきりとは解明されていませんが、遺伝的要素やストレス、不適切な食生活などが原因として考えられています。
花粉症による不快症状をやわらげるには、食生活の改善が最も有効です。免疫異常を修正するβグルカンなどを積極的に摂取し、免疫機能の正常化と体質改善を目指すために、次の食材を意識して摂取してみましょう。
しいたけ
きのこ類に含まれるファイトケミカルの一種βグルカンは、市場で目にするきのこ類のなかでは、しいたけに最も多く含まれています。βグルカンは、白血球に働きかけてマクロファージやNK細胞などの免疫機能を活発にしつつ、免疫異常を修正してアレルギー症状を抑えます。
また、豊富に含まれる良質な食物繊維が腸内の有害物質を掃除してくれるため、アレルギーの原因となる抗体や活性酸素を排除し、花粉症の不快なアレルギー症状を緩和します。
しそ油
不飽和脂肪酸の一種αリノレン酸は、体内で作ることができない必須脂肪酸の一つで、食事から摂取する必要があります。αリノレン酸はしそ油に多く含まれ、体内に吸収されるとEPA・DHAなどの脂肪酸に変わり、アレルギーによる炎症を抑えてくれます。
また、ビタミンCとEが両方含まれているため、強い抗酸化力があり、活性酸素によって作られる過酸化脂質の生成を抑制します。さらに、ビタミンCにはビタミンEの酸化を防ぐ作用もあるので、ビタミンの持つ抗酸化力をフルに引き出して免疫力をアップさせることができます。
れんこん
れんこんに含まれるポリフェノールの一種であるタンニンは、アレルギー反応を急増させるリンパ球の発生を抑え、花粉症の原因となる抗体の発生を抑えるといわれています。
また、食物繊維やビタミンCなども多く含まれ、花粉症の症状緩和に欠かせない腸内環境の改善にも効果があります。
れんこんのぬめり成分であるムチンは、鼻や喉の粘膜を潤して保護します。損傷を防ぐことで、アレルギー症状や風邪などのウイルス感染に対する守りの免疫力を高めます。
せっかくの栄養成分をムダにしないために
しいたけには水溶性ビタミンなどが含まれているため、汚れが気になる場合はペーパータオルなどで拭く程度にし、水洗いは避けましょう。
また、しそ油のαリノレン酸は酸化しやすいので、加熱よりもドレッシングなどの生の状態で摂取するのがベターです。
れんこんのぬめり成分に含まれるムチンは熱に弱いため、なるべく加熱時間を短くするのがポイントです。