苦丁茶は中国茶における茶外茶の一種で、「丁」は捻ったような茶葉の形を指しています。
日本語では「くちょうちゃ」「くうていちゃ」「くていちゃ」「くちんちゃ」などと呼ばれており、統一された読みはありません。
日本ではタラヨウの近隣種であるモチノキ科に属するIlex Kudinchaの葉を茶葉として加工したものが知られており、文字通り一般的な茶にはない強い苦味が特徴で、健康茶として飲まれています。
苦丁茶の代表的な種類
一葉茶
茶葉をこより状によっており、棒状のものが一般的ですが、輪の形のものもあります。
青山緑水
新芽だけで作られている苦丁茶で、苦味が少なく茶葉も柔らかいため、一緒に食べることができます。新芽を摘み取るため希少価値が高く、種子や苗は中国国外への持ち出しが禁止されています。
苦丁茶の等級と特徴
苦丁茶には「特級」「一級」「二級」「三級」と四種類の等級が付けられており、ランクが高いほど飲みやすくなっています。また、水色にも差があり、上質な茶葉で淹れた苦丁茶の水色は鮮やかな緑色をしています。ただし、放置すると褐色に変化します。
苦丁茶に期待できる効果・効能
苦丁茶は中国では生薬として、熱っぽさの解消、頭痛・眼精疲労の改善、解毒作用などの効果があるとされているため、風邪・鼻炎・目のかゆみ・赤目・頭痛などの症状の際に飲まれるほか、解熱・下痢止め・去痰・咳止めにも役立つとされています。
また、気管支炎にも有効で、消化促進や気力・記憶力の向上にも効果を発揮するといわれています。
最近の研究では、ハーブとして血液循環を促進し、血圧を下げ、コレステロールをはじめとする血中脂質を減らす効果が若干あることが確認されているため、心機能や脳機能の悪化を防ぎ、適度な体重を保つ効果が期待できるとされるほか、炎症を抑える効果や体の酸化を防ぐ効果もあるといわれています。
苦丁茶のおいしい淹れ方・飲み方
苦丁茶の飲み方に原則決まりごとはないため、湯呑と茶海があれば、茶葉を入れてお湯を注ぐだけで簡単にできます。お好みの色が出たら、茶葉を取り除くか、茶湯を湯呑に移して飲みます。出し終わった茶葉はお好みの色が出なくなるまで何回か使えます。
このように、苦丁茶は手軽に淹れて飲むことができるうえに高い健康効果が期待できる優れたお茶です。しかも、ノンカフェインで体に優しく、時間を問わず飲めるというところもうれしいポイントですね。