脂質の最大の役割はエネルギー源になることです。1g当たりのエネルギー量は、タンパク質や糖質の2倍以上で約9kcalです。また、細胞膜や血液、ホルモンなどの材料として、また脂溶性ビタミンの吸収を高めるためにも不可欠な栄養素です。
極端な脂肪制限が招くトラブルとは?
脂質というと肥満の大敵として目の敵にされがちですが、ダイエットなどで極端に脂肪制限をしていると、たとえ体重は減っても、肌がカサカサになったり、暗闇に目が慣れにくくなったり、腎臓や肝臓にトラブルが現われたりします。大切なのは、「摂らない」ではなく「摂りすぎない」ということです。
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脂質の1日の適正摂取量は?
一般成人の脂質の適正摂取量は、総エネルギーの20〜25%です。これを重量に換算すると、1日2000kcal必要な人なら44〜55g必要ということになりますので、減量中でも、必要最低限の油分は確保しなければなりません。
動物性脂肪・植物性脂肪・魚類の脂肪の理想的な割合とは?
脂質は、摂取量とともに質も考えて摂ることが大切です。
肉類・卵・牛乳・乳製品などに含まれる動物性脂肪には、悪玉のLDLコレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く、摂りすぎると動脈硬化などの生活習慣病を招きます。
一方、植物油や魚類の油には、LDLコレステロールを減らす不飽和脂肪酸が多く、逆に生活習慣病の予防に役立ちます。また、老化防止に有効なビタミンEも多く含まれています。
このようなことから、健康のためには、動物性脂肪4:植物性脂肪5:魚類の脂肪1の割合で摂るのが理想とされています。
理想の割合に近づくには?
実際の食事では、肉料理や加工食品を食卓にのせる回数を減らし、魚料理を積極的に摂ることを心がけていると、おのずと理想の脂肪摂取比率に近づいていくはずです。