2013年12月に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、世界有数の長寿国・日本の食文化や和食の優れた健康効果に注目が集まりましたが、「地中海の食事」も同じくユネスコ無形文化遺産に登録されているのをご存じですか?
地中海ってどんな風土?
地中海はユーラシア大陸とアフリカ大陸に囲まれたヨーロッパの内海で、沿岸にはスペイン・イタリア・ギリシャなどの国々があります。
地中海性気候は、冬に降雨があり夏に乾燥するという温暖な気候ですが、石灰岩が風化してできたテラロッサが広く分布しており、農業に適した土壌ではありません。そのため、これらの地域では、乾燥に強いオリーブやブドウ、または柑橘類の栽培、牧畜などが主に行われています。
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地中海料理の特徴
こんな地中海沿岸諸国の食事には、次のような特徴があります。
- 野菜・果物・豆類・穀類を多く摂取
- オリーブオイルをふんだんに使用
- 魚介類が豊富
- 肉類は少なめで仔牛・仔羊が中心
- 食事中に適量の赤ワインを摂取
地中海沿岸諸国ではかねてより心疾患の発症率が低く、その要因として、植物性食品が中心で不飽和脂肪酸を多く摂取するという食事の摂り方に深く関わっていることが立証されています。
糖尿病食としてもおすすめ
また、近年では、地中海料理は糖尿病食としても注目されています。
例えば、地中海沿岸の主食であるパスタは、食後の血糖値が上がりにくい低GI食と言えますし、オリーブオイルや青魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸は糖質に代わるエネルギー源となり、動脈硬化を防ぎます。さらに、ビタミン・ミネラル・ポリフェノールを多く摂取できるので、抗酸化力を高めてくれるというわけです。