ミルクティーとは、牛乳などの乳を入れた紅茶のことをいいます。モンゴル人やチベット人など、内陸ユーラシアの遊牧民の間では、交易により中国などから入手した茶に牛や羊の乳またはバターを入れて大量に飲む習慣が古くからありますが、ヨーロッパ人にこの習慣が根付いたのは近世以降といわれています。
ミルクティーに適した茶葉とは?
ミルクティーに使用する茶葉はミルクの味に負けない味の強いものが向いています。その代表的なものがアッサム種で、ミルクティー向きの紅茶として知られているほか、アールグレイもベルガモットの香りがミルクと好相性といわれています。一方、発酵度が低く味と香りが繊細なダージリンはミルクティーに不向きとされています。
一般的なミルクティーの作り方
アイス
氷を入れたミルクに紅茶を加え、好みでガムシロップも加えます。
ホット
予め熱湯を入れるなどして十分に温めておいたティーカップに常温のミルクを入れて紅茶を注ぎ、好みで砂糖を加えます。用いるミルクは低温殺菌牛乳がよいとされています。
紅茶にミルクを入れると効能がムダに!?
紅茶には心疾患予防に有効とされるカテキンが多く含まれています。
ところが、イギリスでは紅茶をよく飲まれているにもかかわらず、アジア人ほど心疾患の発症率が低くないことから、16名の健康な更年期後の女性に、0.5リットルの紅茶と、同時に10%のスキムミルクを入れた紅茶あるいは水だけを飲んでもらい、紅茶の効果を研究したところ、紅茶を飲んだ2時間後にこれらの人の上腕動脈の動きを測定すると、紅茶だけの人は動脈が拡張し、血液がスムーズに流れることが確認できた一方で、紅茶にミルクを加えて飲んだ人にはそのような効果が見られなくなっていたとのことです。
これらのことから、ミルクの主要タンパク質成分であるカゼインが紅茶成分と結合してカテキンの濃度を下げたことにより、カテキンの血管拡張作用が打ち消されたと考えられるそうです。
単純にミルクティーのおいしさを楽しみたいという場合はあまり神経質になる必要はないと思われますが、紅茶の効能を重視したいという場合は、入れるミルクの量を減らすか、あるいは入れないようにしてみるのも有効かもしれません。
ちなみに、コーヒーフレッシュを紅茶に入れたものをミルクティーと称することがありますが、これは本来の紅茶の飲み方ではないとされています。本格的かつ王道のミルクティーを楽しみたいという場合は、上記の方法でミルクを使って作ってみてください。