マグロに多く含まれているミネラルの一つであるセレニウムは、体内における含有量が少ないため、栄養的にはほとんど重要視されてきませんでしたが、実は、動脈硬化の予防や老化防止などさまざまな働きがあります。
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老化物質や過酸化脂質を抑制
私たちの体は年をとるにつれ、脂肪の酸化が進み、過酸化脂質になりますが、セレニウムはグルタチオンペルオキシダーゼという酵素の成分で、この酵素が老化物質や過酸化脂質をできにくくします。過酸化脂質は細胞膜を傷つけ、細胞の働きを阻止する元凶で、血管の細胞膜に影響を及ぼして、動脈硬化を引き起こします。
ビタミンEもセレニウムと同様、過酸化脂質ができるのを防ぐ働きがありますが、セレニウムはビタミンEの50〜100倍の力を発揮するといわれています。
発ガン物質を抑える働きも
また、セレニウムやビタミンEには、発ガン物質を抑える働きがあることも報告されています。
昔から「モズクは胃ガンに効く」といわれていますが、これは、モズクに含まれているセレニウムとビタミンEの働きによるものとされています。実際に、アメリカにおける調査では、土にセレニウムを含んでいる地方ではガン発生率が低く、逆に含まない地方は高いということがわかったのだそうです。
ただし、なぜセレニウムやビタミンEがガンに効くかはまだよく解明されていません。
セレニウムやビタミンEを多く含む食材とは?
セレニウムはマグロ・ワカサギ・燻製ニシンなどに多く含まれ、ビタミンEは、海藻や魚介類のなかでも、特にマグロ・トビウオ・ハマグリ・イカ・タコ・ヒジキなどに多く含まれています。
また、セレニウムはビタミンEと一緒に摂ると、倍以上の効果が期待できるとされています。