モヒートはラムをベースとした冷たいタイプのロングドリンクに分類されるカクテルの一種です。
キューバのハバナが発祥の地ですが、世界的に有名でさまざまなレシピが存在します。
モヒートという名前はスペイン語のmojar(濡らす)に由来するとされています。
モヒートの起源
16世紀後半、英国女王エリザベス1世が新大陸として注目されていたアメリカ諸国から得られる富をコントロールする名目でスペイン領の都市を略奪する海賊の手助けをしていた頃、海賊フランシス・ドレークの部下であるリチャード・ドレークが1586年にモヒートの前身となる飲み物ドラケ(draque)をキューバの人々に伝えたという説が最有力といわれています。
この説によると、ドラケはアグアルディエンテ(サトウキビを原料とする蒸留酒)と砂糖、ライム、ミントを混ぜ合わせて作られていたとされています。また、ドラケは過去最悪のコレラがハバナを襲ったとき、木製のスプーンと共に提供され、医療目的でも用いられていたといわれています。
19世紀後半、ドン・ファクンド・バカルディによって生み出されたホワイトラムのバカルディ・ラムがキューバ国内で流行し、ドラケのレシピに使用されていたアグアルディエンテがバカルディに切り替えられ、モヒートという人気カクテルとなりましたが、バカルディ社がキューバ革命に伴い撤退した1960年以降、キューバ国内で飲まれているモヒートにはハバナ・クラブが使用されています。
起源に関する他の説としては、キューバのさとうきび畑で働く労働者の間で飲まれていたグアラポというさとうきびジュースが発展したものであるというものもあります。
モヒートの一般的な作り方
- タンブラーにミントの葉、ライム(またはレモン)、砂糖を加え、ペストルというすりこぎ棒またはバースプーンで、あまり力を加えすぎないようにして潰します。
- 1にラムとソーダ水(またはトニック・ウォーター)、氷を加えて完成。
レシピによっては、ライムの皮を入れずにジュースだけを入れたりソーダを入れなかったり、あるいは砂糖が少なかったりするものもありますが、ライムと砂糖は多めに入れたほうが氷が溶けても水っぽくならないため、全体的に厚みが出ます。
近年、日本でもベーシックなモヒートだけでなく、ラム・ミント・ライム・砂糖にフルーツなどを加えたさまざまなバリエーションを施したモヒートが広まりつつあります。
モヒートに期待できる効果・効能
モヒートには万能のハーブと呼ばれるミントが使われます。ミントのスッとする香りの成分には、熱冷ましや殺菌作用の効果が認められているほか、最近ではアレルギーや花粉症にも有効といわれています。
また、ライムに含まれるクエン酸には体に活力を与える効果があるといわれており、そのさわやかな香りにはリフレッシュ効果も期待できます。
どことなくおしゃれなカクテルというイメージのあるモヒートですが、ミントやライムが使用されていることにより、それらがもたらす健康効果に期待が持てるというところも魅力のひとつと言えそうですね。