キノコの力は酵素の力
動物界にも肉食動物と草食動物、そして、両党と言える雑食性動物がいるように、菌界にも食生活に合わせて3つの分類が存在します。そのうち、寄生菌は厄介者になる事が多いものの、腐生菌と菌根菌は決してそうではありません。それどころか、特に腐生性キノコは森の掃除屋さんとも呼ばれる存在で、ゴミがいつまでも放置されるのを腐生でくれているのです。また、菌根性キノコたちも、共生する木々を守り、林を守っています。そして、彼らのこの性質が、私たち人間の身体にもたらす影響もまた大きいと言えるでしょう。
キノコの真の効果効能は酵素パワー
キノコは総じて栄養価が高く低カロリーの健康食材だと言われていますが、その理由は、キノコの生き様を見れば納得出来るところでしょう。何しろ肉や魚をボリボリ食べている訳ではないので、脂肪分が殆どありません。さらに、多くのキノコは腐生性で、常に酵素パワー全開で生きています。そんなキノコが私たち人間の体内に入るとどうなるのか、想像しただけでもワクワクしませんか?
よく、キノコは不溶性食物繊維の一種である『β―グルカン』豊富で抗ガン作用や抗ウイルス作用を持っていると言われますが、それも全ては酵素パワーによる細胞の活性化が実現されるからこその効果です。つまり、弱り掛けている細胞を元気にしてくれるから病気の予防や克服が出来るというもので、ガンだけにとどまりません。例えば、脳細胞を活性化してくれれば賢くなれたりボケ防止に繋がります。骨や筋肉の細胞を活性化してくれれば丈夫になれ、運動能力の向上も大いに期待出来るでしょう。そして、肌細胞を活性してくれれば綺麗になれるのです。即ち、私たち人間が細胞の塊で、その活性化によって生きている以上、様々な形でキノコの恩恵を被れるという訳です。
人気のキノコが持つそれぞれの魅力は以下の通りです。
・しいたけの効能とおすすめレシピ、食品成分表
・しめじ(ぶなしめじ/ほんしめじ)の効能とおすすめレシピ、食品成分表
・はたけしめじの効能とおすすめレシピ、食品成分表
・エリンギの効能とおすすめレシピ、食品成分表
・舞茸の効能とおすすめレシピ、食品成分表
・えのき茸の効能とおすすめレシピ、食品成分表
・松茸の効能とおすすめレシピ、食品成分表
食べ合わせを考えれば効果倍増!
先のアンケート調査でも分かるように、キノコの魅力はカロリーが低く栄養価が高いだけではありません。菌床栽培されている腐生性のキノコは安価で、いろいろな料理に惜しげもなく使えるというのも大きな魅力。しかも、食べ合わせによって、さらなる健康効果や美容効果をもたらせてくれるのです。どのようなキノコがどのような食材とコンビを組めば、どのようなメリットを得られるのかを知って、さらに美味しく有り難く食べましょう。
ガン予防
シイタケ+アスパラガス・ブロッコリー・のり
ブナシメジ+アスパラガス・ブロッコリー・酒・酢
エノキ+アスパラガス・ニンジン・椎茸・味噌
マッシュルーム+シイタケ・トマト・昆布
高血圧予防
シイタケ+イカ・タコ・鯖・セロリ
ブナシメジ+ごぼう・タマネギ・大豆・ショウガ
エノキ+オクラ・ごぼう・イワシ・タコ
マッシュルーム+カキ・サケ・レタス・ワカメ・牛肉
動脈硬化予防
シイタケ+イカ・タコ・鯖・セロリ
コレステロール低下
ブナシメジ+ごぼう・タマネギ・大豆・ショウガ
エノキ+オクラ・ごぼう・イワシ・タコ・コンニャク・きゅうり・うり・アサリ
マッシュルーム+牡蠣・鮭・レタス・ワカメ・牛肉
血行促進
シイタケ+イワシ・昆布・ほうれん草
マッシュルーム+シイタケ・トマト・昆布
貧血予防
マッシュルーム+牡蠣・アサリ・ハマグリ・ほうれん草
糖尿病予防
マッシュルーム+牡蠣・アサリ・ハマグリ・ほうれん草
肥満防止
エノキ+コンニャク・きゅうり・うり・アサリ
マッシュルーム+きゅうり・うり・イカ・コンニャク
利尿作用
マッシュルーム+きゅうり・うり・イカ・コンニャク
アンチエイジング効果
シイタケ+ごま・くるみ・かぼちゃ・マヨネーズ
ブナシメジ+ごま・豚肉・鶏肉・キャベツ
脳活性
シイタケ+ごま・くるみ・かぼちゃ・マヨネーズ
体力増進
ブナシメジ+ごま・豚肉・鶏肉・キャベツ
疲労回復
ブナシメジ+アスパラガス・ブロッコリー・酒・酢
エノキ+ウナギ・ゴマ・豚肉
骨訴訟症予防
シイタケ+イワシ・昆布・ほうれん草
ブナシメジ+イワシ・牛乳・ほうれん草・ホタテ
美肌効果
エノキ+ウナギ・ゴマ・豚肉
キノコは名シェフ
キノコの酵素パワーの魅力はまだまだあります。特に見逃せないのが多くのキノコが持つ「『エンドペプチダーゼ』でしょう。この酵素は、秋バテの原因となるFF(疲労因子)、解消するFR(疲労回復因子)で出て来た疲労回復酵素「イミダペプチド」とよく似た「タンパク質分解酵素」の一種で、非末端部分のペプチドを分解する能力を持っています。そこで、何とかとキノコは使いよう!
茶碗蒸しなどに使う場合は、予めボイルし、酵素を破壊しておかないと、卵が固まらないという失敗を招いてしまうでしょう。特に、エンドペプチダーゼ豊富なマイタケを使用する場合は要注意です。けれど、このタンパク質分解パワーを活用する事により、歯が折れそうな堅い肉を簡単に柔らかくする事が出来るのです。
例えば、マイタケを細かくちぎって、半分の料をラップの上にちりばめます。その上から肉を置き、再び残りのマイタケを散らしましょう。後はそのままラップに包んで冷蔵庫で3時間寝かせるだけ。焼いても上げても柔らかくてジューシーな高級肉の出来上がりです。なんと、寝かせすぎると、加熱途中で肉が切れてしまうほど筋が分解されているのでビックリ!! もちろん、マイタケは後にバターで炒める事で付け合わせとして美味しく食べられます。正にキノコたちは名シェフです。
こうしたキノコの酵素パワーはいろいろあって、どれもこれも、まるで魔術のような不思議な力だと思っている人は少なくありません。ですが、これまでに見たキノコの生き様を思い出せば、当然の力だと言えるでしょう。元々腐生性キノコは、難解な物質を分解する力を持っているのです。安価な赤身肉を高級ステーキに調理してくれても不思議ではありませんよね。