山芋は縄文時代の頃から栽培されており、平安時代の貴族たちは、野生の山芋である自然薯を使った芋粥を珍重していたといわれています。
山芋の種類と特徴
山芋には野生種と栽培種があり、長芋・大和芋・いちょう芋などは栽培種です。
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長芋
最も一般的な種類で、水分が多く粘りが少ないのが特徴です。
大和芋
握りこぶし型で、山芋のなかで最も粘りが強く、主に関西以南で栽培されています。
いちょう芋
粘り気が強くアクが少ないので、生食向きです。
消化酵素が弱った体を元気に
山芋の主成分はでんぷんですが、アミラーゼやジアスターゼなどの消化酵素が大根の3倍も含まれており、でんぷんの消化吸収を助けて胃腸の働きを活発にしてくれるので、病後の回復や虚弱体質の改善にも適しています。
ただし、消化酵素は加熱すると働きが悪くなるので、たとえばとろろ汁を作るときは、だし汁の温度を40〜50度まで冷ましましょう。
頻尿や倦怠感などの改善にも効果を発揮
皮をむいたときのヌルヌルは水溶性食物繊維の一種です。オクラやなめこ、里芋などにも含まれる成分で、コレステロールや糖分が腸で吸収されるのを防ぐとともに、胃壁を保護してタンパク質の吸収を助ける働きがあります。また、肝臓や腎臓の機能を高める働きもあり、細胞を活性化して老化予防に役立ちます。そのほか、カリウムも多く含まれているので、高血圧予防効果も期待できます。
また、頻尿・夜間排尿過多・全身倦怠などの症状にも優れた効果を発揮し、中国では糖尿病の治療薬として使われています。
タンパク質食品と合わせて夏バテ解消
山芋は、卵やマグロなどタンパク質が豊富な食品と一緒に摂ると、全身の栄養状態を改善して体力を回復してくれるので、夏バテ解消に最適です。