秋になると旬を迎え、食卓にもよく登場するきのこ類は実に身近な食材ですが、その栄養を意識して摂っている人はどのくらいいるでしょうか?
一般的に低カロリーでダイエット向きというイメージの強いきのこですが、実は注目すべき栄養素がたっぷり含まれている優秀食材なのです。
きのこの栄養素と働き
きのこに含まれるビタミンDやβグルカンは、免疫機能を高め、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくしてくれる、体にとって必要な栄養素です。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きもあり、歯や骨を丈夫にもしてくれます。
種類によって栄養素の量は違う
きのこにはいろいろな種類がありますが、それぞれ栄養素の量は異なります。なかでもビタミンDが多く含まれるのはきくらげ(100gあたり約440μg)と干ししいたけ(100gあたり約17μg)ですが、調理の幅や一度に摂取する量などの食べやすさを考えると、食事の際に最も効果的に取り入れやすいのは干ししいたけです。
きのこの栄養は増やせる!?
きのこに含まれるビタミンDは、天日干しして紫外線を当てることで増やすことができ、30分〜1時間干すだけで、含有量はなんと約10倍にもなります。
ただし、市販のきのこの中には機械を使って人工的に乾燥させているものもあるので、使う前に天日干しして紫外線を当ててから使うのがおすすめです。
根元を捨てるのはもったいない!
通常、きのこの根元は調理の際に捨ててしまいますが、どのきのこも根元までビタミンDやβグルカンなどが詰まっています。しめじやえのき茸なども、根元を少し切ればほかはすべて食べられるので、なるべく根元も食べましょう。しいたけの場合は、根元を細かく刻んできんぴらにすると美味です。
おすすめの調理法
きのこに含まれるビタミンDは、油と一緒に摂取することで吸収率が高くなるので、炒め物にして食べるのがおすすめです。煮物で使う場合も、油を少し加えると吸収率がアップします。
ただし、油はきれいなものを使いましょう。
1日の目安摂取量は?
ビタミンDの免疫機能アップ効果を期待するなら、1日の量を意識して摂る必要があります。たとえば40代の場合は、干ししいたけであれば大7個(約7μg)が約1日分の目安摂取量になります。
食物繊維が豊富なので、便秘改善の効果もありますが、それだけに摂取量が多いと人によってはお腹がゆるくなる場合もあります。1日の目安量を参考にして摂るようにしましょう。
長持ちさせるには?
調理で残った生のきのこは、ビニールに入れたままだと鮮度が落ちて黒くなってしまうので、湿り気を吸わせるために、紙袋に入れて冷蔵庫で保存します。
干ししいたけの場合は、水で戻してから戻し汁ごと冷凍保存し、使う際にそのまま刻んで使用しましょう。冷凍することで、しいたけにうま味成分のアミノ酸が増えるというメリットもあります。
秋・冬にこそビタミンDの摂取が大切
秋から冬にかけて日照時間が少なくなり、屋内で過ごす機会が増えてくると、一年のうちで最も体内でのビタミンDの生成が減っていきます。だからこそ、より意識してビタミンDを摂取することが大切で、それには旬のきのこが最適というわけなのです。