もやしは、ビタミンC・ビタミンB群・アスパラギン酸・カリウム・カルシウム・鉄・食物繊維などを多く含んでいます。注目の成分は、発芽によって合成されるGABA(γ―アミノ酪酸)とアミラーゼです。
もやしの効能
もやしは、豆類の種子を水に浸して暗所で発芽させたものです。農薬や肥料を使わないという点でクリーンな野菜で、季節を問わずいつでも作ることができ、栄養価も味も良く、なにより安価で財布に優しい食品です。
「もやしっ子」なんてとんでもない!
もやしには、「種に蓄えられた栄養素」+「発芽に合成される栄養素」+「野菜としての栄養素」という素晴らしい特性があります。タンパク質やアミノ酸や炭水化物を含み、カルシウムやカリウムや鉄分などのミネラルを含み、ビタミンB群やビタミンCや食物繊維なども豊富です。種にはデンプンや脂肪、タンパク質などが蓄えられており、豆から発芽してもやしになる段階で新たな栄養素がたくさん生成されます。発芽パワーによって合成されたり増加する栄養素は、カリウムやビタミンA・ビタミンCの他、アスパラギン・アスパラギン酸、GABA(γ―アミノ酪酸)などの遊離アミノ酸も生成されます。
消化しにくい豆も、発芽することで消化に優しい野菜に変身し、食べ過ぎによる不具合の心配もありません。
もやしは、英語でSproutです。このSprout(スプラウト)は種子が発芽する状態のことで、豆類だけでなく、大根(かいわれ大根)やブロッコリー(ブロッコリースプラウト)もSproutなのですが、日本では一般的に豆類のスプラウトのみを『もやし』と言います。
代表的なもやしは、アルファルファもやし、大豆もやし、ブラックマッペもやし、緑豆もやしです。アルファルファもやしは、糸もやしとも言われ、細くて小さいのが特徴で、アメリカでタイエット食として人気です。
大豆もやしは、大豆が発芽したもので、韓国料理のナムルなどに使われます。
ブラックマッペもやしは、関西で食べられている細くて長いもやしです。
緑豆もやしは、関東を中心に、日本で最も一般的なもやしです。
美肌効果とアンチエイジング
もやしに含まれるビタミンCは、シミのもとになるメラニン色素を取り除く働きがあります。ビタミンB1やビタミンB2も含まれており、肌荒れや美容効果が期待できます。
更にもやしには、老化を防止するポリフェノールや肌を構成する良質なたんぱく質も含まれています。また、塩分や水分を排出するカリウムには、むくみを予防する働きがあります。
ダイエット効果
もやしに含まれるビタミンB2は、脂肪の代謝を高めてくれるため肥満の予防にもなります。食物繊維は便通を良くし、腸内の老廃物を取り除いて綺麗にしてくれます。
もやしは95パーセントが水分であるにも関わらず栄養が豊富で、たくさん量を食べられて満腹感を得ることができ、空腹を減らしてダイエットできるヘルシーな食品です。
風邪や動脈硬化を予防
もやしに含まれるビタミンCは、風邪の予防に役立ちます。さらに、血管を強化して動脈硬化の予防に効果を発揮したり、鉄分の吸収を促進する働きがあります。
また、もやしには野菜としては多い量のたんぱく質が含まれています。とくに大豆もやしに多く含まれています。肉類のたんぱく質を違い、もやしのたんぱく質には血管をしなやかにして弾力性を高める性質があるため、動脈硬化の予防に役立ちます。
生活習慣病の予防
もやしに含まれるカリウムやビタミンB群や食物繊維は、様々な働きがある重要な栄養素です。
カリウムには血圧を下げる作用があり、心臓や筋肉の、血液循環を調整してくれます。脳卒中の予防、骨密度の増加にも役立ちます。
ビタミンB群は、肝臓病の予防と治療にも有効です。ビタミンB群が不足すると、肝臓の機能が低下して、エネルギーの合成の働きも鈍くなり、肝臓障害が起こってしまいます。
もやしには繊維質が多く、腸内の老廃物を取り除き、便秘を解消する働きがあります。さらに食物繊維には、コレステロール値を下げる作用があり、糖尿病や大腸ガンといった生活習慣病を予防・改善する働きがあります。
またもやしには、疲労回復作用のあるアスパラギンやアスパラギン酸が含まれています。新陳代謝を活発にして、肩こりにも効果があります。
ストレス緩和
もやしに含まれるGABA(γ―アミノ酪酸)は、高血圧の予防、精神を安定させる働き、ストレスを緩和する作用があるとされています。
カルシウムにも、鎮静効果があります。更に、もやしに含まれるビタミンB群にも、神経系に作用して、興奮を鎮めてイライラを取り去く働きがあります。これらの有効成分は、ストレス性の不眠症などへの効果も期待できます。
胃腸の機能回復
もやしの発芽によって生まれるアミラーゼなどの消化酵素は、胃腸の調子を整えたり、食欲不振を解消してくれます。夏バテや食欲が無いときには、水分が多くて食べやすく、シャキシャキと清涼感のあるもやしが力を発揮してくれます。
もやしの人気&簡単レシピ
もやしは、茎が太くしっかりしていて、白くツヤがあるもの(茎やひげ根が変色していないもの)を選びましょう。真空パックされているもやしは、袋入りよりも長持ちします。すぐに使わない場合は、さっと熱湯をかけ、冷ましてから密閉容器にいれ冷蔵保存すると1〜2日はもちます。
もやしのおすすめレシピ
もやしに含まれるビタミンCは水に溶けて流れてしまうので、食べる直前にさっと短時間で洗いましょう。熱にも弱いので、茹でるときは10秒くらいで茹で上げるようにし、炒め物の場合は最後に入れるようにしましょう。もやしを蒸し料理に使うのは、栄養的には適しています。
もやしの中華サラダ
http://cookpad.com/recipe/931704
さっと熱湯にとおして、シャキシャキ感を残したもやしを、ごま油の香りが良い中華風ドレッシングでいただく「やみつきもやしレシピ」です。
トッピングとして、ちくわ、カニカマ、春雨、ワカメなど加えても美味しいと評判です。
もやしの卵あんかけ
http://cookpad.com/recipe/399656
フライパン1つで簡単手軽なもやしの卵あんかけ。なんと1万人以上がこのレシピで「もやしの卵あんかけ」を作ってフォトレポートしている大人気のもやしレシピです。子どもにも家族にも喜ばれ、おかずとして使える「もやしの卵あんかけ」はご飯との相性も抜群。天津飯にも出来ます。
料理の時は塩コショウをタップリ効かすのがオススメ。お好みでニラ、キクラゲ、豚などをトッピングしても美味しいです。
もやしと人参とほうれん草のナムル
http://cookpad.com/recipe/1876393
もやし、人参、ほうれん草。栄養たっぷりの野菜がもりもり食べれる一品です。簡単で彩りもよく、食卓に花と栄養を添えてくれます。ナムルにすると野菜嫌いな子どもも食べてくれることも!もやしは、さっと茹でたあとに、よく水を絞ることで味が薄くなるのを防げます。もやしと人参と小松菜でもokです。
もやしのお好み焼き
http://cookpad.com/recipe/1823222
もやしが主役のボリューム満点レシピ。安く美味しくヘルシーにお腹を満たせます。包丁を使わずに料理できる手軽さも魅力です。フライパンでの焼き時間を短くすることで、もやしの栄養を逃さず取り込めます。料理の際は、もやしを出来るだけ小さく折ったほうが食べやすくなるそうです。他の野菜などをトッピングする場合は、火の通りにくいものはあらかじめレンジ加熱しておきましょう。生地はゆるいと上手に焼けないので、もっちりとした生地で。
見た目もボリューム満点の「もやしのお好み焼き」。ダイエッターにも嬉しい、もやしが主食になるヘルシーメニューです。
ニラもやし玉子炒め
http://cookpad.com/recipe/2586103
卵とニラともやしで栄養バランス抜群のレシピ。ボリュームがある上に、安く作れる家計に優しい一品です。炒めすぎずに料理するのがポイント。にんにくと生姜が美味しさをアップしてくれます。
もやしと豚バラのポン酢かけ
http://cookpad.com/recipe/1927556
レンジで5分、誰にでも作ることができる「もやしと豚バラのポン酢かけ」は、失敗知らずの簡単レシピ。一人ランチにも、家族の定番品としても、活躍の場が多いお手軽な料理です。
もやしのナムル(ごま油)
http://cookpad.com/recipe/1306693
人気急上昇中の「もやしナムル」レシピ。ごま油が美味しさを引き立たています。にんにくを使わないので、朝食やお弁当にも使えます。大家族でも、もやしを2袋・3袋使えば全然問題なし!家計に優しく、この味つけだと子供達がむしゃむしゃともやしを食べてくれるのだとか。アレンジやトッピングもアイデア次第で、いろんな味を楽しめるもやしナムルです。
豚もやしスープ
http://cookpad.com/recipe/1042357
豚骨ラーメンのようなコクのあるスープです。隠し味の味噌の量は、好みの味加減で。人参や白菜、キャベツなどのトッピングも美味しいです。好きな野菜でお試しください。スープとして飲めば、流れ出た栄養素も逃しません!
この「もやしのスープ」を元に、えのきと餃子の皮の細切りを加えたり、中華麺や素麺など加えたり雑炊にしたりと、いろんなアイデア料理が創作されています。作って楽しいもやしスープです。
豆知識
英語の『スプラウト』(sprout)は新芽のことですが、『もやし』のことでもあります。モヤシ(もやし、糵、萌やし)とは、主に穀類、豆類の種子を人為的に発芽させた新芽のことです。なので、カイワレ大根や豆苗、ブロッコリースプラウトも、もやしの一種という見方もできます。
しかし日本では、「緑豆もやし」や「ブラックマッペもやし」や「大豆もやし」のことを一般的に『もやし』と呼んでいます。見た目の区別と言ったほうが分かりやすいかもしれません。栄養価的には、一般的に食されている「緑豆もやし」や「ブラックマッペもやし」よりも、「アルファルファもやし」や「大豆もやし」のほうが優れています。