玉ねぎには、硫化アリルやカルシウム、カリウム、マグネシウムが含まれています。
玉ねぎの効能
玉ねぎ特有の辛味は硫化アリルや硫化プロピルによるもので、涙を誘発するなど刺激の強い成分です。抗酸化作用があり、血液をサラサラにしたり、善玉コレステロールを増やしたりする働きもあるので、血栓防止や動脈硬化・がん・心筋梗塞・脳梗塞を予防する作用があるとされています。
硫化アリルは体内でアリシンに変化してウイルスから体を守るほか、ビタミンB1と結合してその効力を増強・持続させる作用があります。ビタミンB1はエネルギー代謝を活発にし、疲労物質を分解するので、心身の疲労回復や食欲不振、不眠症改善にも役立ちます。
また、強い殺菌作用、消化酵素の分泌促進、脂肪の分解を促進する作用、発汗作用などがあり、デトックス効果が期待できます。
玉ねぎに含まれる豊富なカリウムは、血圧の上昇を抑えて高血圧の予防に効果を発揮するほか、ポリフェノールの一種であるケルセチンにも強い抗酸化作用があり、ビタミンCの吸収を助ける働きもあるので、生活習慣病予防やがん抑制に有効です。
血液サラサラ効果を期待する場合は、生で食べるのが一番です。薄切りにして15分ほど空気にさらすと、酵素反応が進んで効果が高まります。サラダなどで美味しく頂きましょう。
玉ねぎには、他の栄養効果を高める成分が豊富なので、食べ合わせに適した食材がたくさんあります。
特にビタミンB1が豊富に含まれている豚肉と、ビタミンB1の吸収を助ける玉ねぎとの相性は抜群で、疲労回復効果がさらにアップします。さらに、食物繊維が豊富なごぼうと一緒に摂ると、糖尿病予防や肥満防止効果も期待できます。
また、鮭のEPA・DHAにはコレステロールを、玉ねぎのカリウムには血圧を低下させる働きがあるので、高血圧や動脈硬化の予防が期待できます。
玉ねぎに含まれるとされている主な生理機能成分を紹介します。
アリシン
にんにくに多く含まれる刺激臭です。ビタミンB1の効果を高め、疲労回復を促進します。消化促進、血栓防止、殺菌・抗菌作用、ガン予防などの働きがあります。
アホエン
これもニンニクに含まれる成分に由来するもので、血栓防止の効果があり、生活習慣病の予防に役立ちます。
ジアリルジスルフィド
抗菌作用があり、ガン予防の効果が期待できます。
セパエン
コレステロール値を低下させ、高血圧予防の効果があるとされています。
ケルセチン
玉ねぎの皮の色素成分で、強い抗酸化作用があります。活性酸素を消去するので、ガン抑制や血糖値上昇抑制の作用があります。
スコルジニン
アリシンを加熱すると分解・生成される成分で、細胞の新陳代謝を活性化して脂肪を分解します。
玉ねぎの人気&簡単レシピ
玉ねぎは主に、辛玉ねぎと甘玉ねぎの2つに大別されます。
切ると涙が出てくるものが辛たまねぎで、日本で一般的なのはこの辛玉ねぎです。
●黄玉ねぎ
辛玉ねぎの一種で、単に「玉ねぎ」というと、この黄玉ねぎのことです。辛味が強いのが特徴です。玉ねぎは収穫後に干され、表皮を乾燥させ保存性を高めて出荷されます。貯蔵がきくので年間を通して出回っています。
●白玉ねぎ
甘玉ねぎの一種です。辛味が少なく生食に適しています。
●赤玉ねぎ
レッドオニオンや紫玉ねぎとも呼ばれる甘玉ねぎの一種です。ポリフェノールの一種であるアントシアニンを含んでいるため、外皮が鮮やかな赤紫色で、辛味が少ないため、サラダに向いています。湘南レッドやアーリーレッドなどの種類があります。
●小玉ねぎ
ペコロスとも呼ばれます。黄玉ねぎの早生種を小球のまま収穫したもので、辛味が比較的少ないのも特徴です。
●新玉ねぎ
秋に種を植え、春に早取りされる玉ねぎです。主に白玉ねぎですが、黄玉ねぎもあります。水分が多いため、乾燥処理されずに、収穫後すぐに出荷されます。通常の玉ねぎと違って保存性が低いので、冷蔵庫で保存し、新鮮なうちに使いきりましょう。
玉ねぎ(黄玉ねぎ)の主な産地は北海道です。他には、兵庫や佐賀、愛知などで生産されています。
玉ねぎの選び方は、皮が乾燥してツヤがあり、表面が透き通るような茶色で、肉質がしっかりしちゃものが良いでしょう。傷があったり芽が出ているものは、鮮度も味も落ちます。
玉ねぎの保存方法は、乾燥状態を保つことがポイントで、冷暗所で常温保存できます。ネットなど通気性のよいものに入れ、風通しのよい場所に吊るすか置いておくのも良いでしょう。新玉ねぎは袋に入れ冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べきるようにします。
玉ねぎの主な調理法は、煮物、和え物、炒め物、揚げ物、焼き物、サラダ、ピクルス、カレー、シチューなどです。西洋料理では、玉ねぎをよく炒めて甘みを出し、スープや各種料理の旨味やベースにします。
玉ねぎは、冷蔵庫で冷やしてから切ると、目を刺激する成分は発揮しにくくなります。