おしゃれをして外出した時、ショーウインドウや大きなガラスドアに写った自分をチェックすることってありますよね。「ああやっぱりこの服は細く言えるわ」なんて心の中で思って納得したり。
でも、50歳を過ぎたら、おしゃれしていなくても自分の姿をよくチェックしましょう。特に側面から自分をチェックしましょう。「お年寄りが歩いているなあ」と思ったら自分だったなんていうことがあるものです。姿勢が悪くて意外に老けている自分を見てしまってがっかりなんてことも。
家で鏡をみてチェックすると、どうしても『ちゃんとした自分』を見てしまいます。だから、街の中で自然にふるまっている自分を見ることが大切なんです。意外に老けた自分を発見したら嫌な気分になりますが、でもまだ大丈夫。生活習慣を改めることで若返ることができます。
骨の成長のピークは18歳位だと言われています。
その後は、ゆっくりと老化していくのです。年齢を重ねると誰でも猫背の傾向があります。そうなると、そろそろ骨粗鬆症が始まっているサインと思った方がいいのです。
骨粗鬆症になってしまうと、少し転んだだけでも骨折したり常に腰痛を抱えていたりして快適な生活が送りにくくなります。特に、大腿骨などの大きな骨を骨折すると寝たきりになる可能性もあります。
骨粗鬆症の人は骨折をしやすいのですが、普通の骨折とは違ってあまり痛みを感じないことが多いのです。そのため小さな骨折を数か所かかえている人も少なくありません。何かのはずみで、大きな骨を骨折して調べてみたら他にも骨折が有ったというのはよくあることなのです。
根本的には加齢と栄養不足が原因
骨は絶えず新陳代謝を繰り返しています。
古い骨をこわして新しい骨を補充しているのです。古い骨をこわす働きをするのが副甲状腺ホルモンです。そして新しい骨を創り出すホルモンがカルシトニンというホルモンです。この二つホルモンのバランスが狂うと骨粗鬆症が進行します。また、骨の原料になるカルシウムが不足しても骨粗鬆症のリスクは上がります。
女性ホルモンであるエストロゲンは副甲状腺ホルモンを抑制する働きがあります。女性は閉経とともにエストロゲンの分泌が衰えるので副甲状腺ホルモンが働きすぎて骨がもろくなってしまいます。このような理由で、女性は閉経後に骨粗鬆症が急速に進みますが、男性も高齢になると骨粗鬆症が進みます。
不眠を解消するのにカルシウムが有効だというのはよく知られていることです。ストレスがカルシウムを消耗するのでカルシウムを補うとストレスが緩和されるのです。ストレスの多い暮らしをしている人は骨粗鬆症が進行しやすくなります。
糖尿病や甲状腺の機能障害も骨粗鬆症の原因になります。
また、胃を切除するとカルシウムの消化吸収が悪くなって骨粗鬆症になることがあります。
骨代謝には適度な刺激が必要
適度な運動で骨に刺激を与えましょう。運動で筋肉を鍛えておくと、不安定な態勢になってしまっても筋肉が体を支えることによって転倒を防ぎます。掃除や洗濯、庭いじり、散歩などはとてもいい運動になりますよ。
アルコール、カフェイン、ニコチンはカルシウムを消耗します。お酒、コーヒーや紅茶などは飲みすぎないように。また、できれば禁煙をしましょう。
カルシウムは骨の成分になる重要な栄養素
カルシウムは、毎日の食事でしっかり摂取しましょう。牛乳やヨーグルト、チーズ、木綿豆腐、雑魚、小エビなどに多く含まれています。
マグネシウム
マグネシウムはカルシウムと同じく骨を形成する成分です。しらす干し、豆味噌、納豆などに多く含まれています。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの消化吸収を促進し、体内に運搬する役目をします。鮭、さんま、かわはぎ、卵などに多く含まれています。
ビタミンK
ビタミンKは体液を凝固させる働きが有るのでカルシウムの流失を防止します。納豆、パセリ、鶏皮、ツナ缶に多く含まれています。
イソフラボン
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。副甲状腺ホルモンを抑制して骨の過剰な分解を防止します。イソフラボンは大豆製品に多く含まれています。
最後に
骨粗鬆症は日常生活で防げるものですが、一方で老化現象の一つですから誰でも少しづつ進行しています。家の中で転倒することが無いよう、骨折をすることが無いよう気を付けましょう。バリアフリー、足元灯、手すりはシニアのお宅の必須事項です。
また、足元にまとわりつくようなロングスカートもやめた方が無難です。スリッパもやめて、すべり止めが付いた靴下をはきましょう。
定期的に眼科検診を受けて、メガネの調整、白内障や緑内障などのチェックをしましょう。初期段階で治療すれば進行を抑える事ができます。