ナトリウムというと、高血圧との関連から摂りすぎの害ばかりが語られがちですが、体にとっては不可欠なミネラルで、ナトリウムの供給源である塩分も、昔は生命維持に欠かせない貴重なものでした。
「ナトリウム・カリウム・ポンプ」とは?
細胞の中には主にカリウムが存在していますが、ナトリウムも含まれています。細胞内のナトリウムが必要以上に多くなると、浸透圧によってナトリウムが細胞の外へ移動し、カリウムが細胞の中へと移動してきます。これを「ナトリウム・カリウム・ポンプ」といいます。
このようにして、細胞内外のミネラルバランスはもちろん、酸やアルカリのバランスも常に一定に保たれています。
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慢性的な過剰摂取に注意!
一時的な過剰摂取なら、尿からの排出で調節されますが、慢性的に摂りすぎると血液中のナトリウムが増加し、これを薄めるために細胞から血管内に水が送り込まれて血液の液状成分量が増え、血圧上昇につながります。また、胃潰瘍や動脈硬化を引き起こす場合もあります。
塩辛いものが好きな人、外食や加工食品などを多く摂る人は要注意です。
ちょっとした工夫で少しずつ慣れよう
外食やコンビニ弁当などの濃い味に慣れた人が急に減塩料理を食べても、味気なさを感じるだけですよね。もちろん薄味の料理も慣れればおいしく感じられますが、次のような工夫次第で、少量の塩分でもしっかり味わいを感じることができます。
- 汁物ではだしの風味を活かす
- 刺身醤油には柑橘類の搾り汁を加える
- 焼き魚やステーキにはスパイスやハーブを使う
素材の味を知ることにもつながる
このように、うま味・酸味・風味・辛味を上手に取り入れてみると、減塩になるだけでなく、素材そのものの味をより深く堪能することができますよ。