世の中に、しょっちゅう風邪をひく人とめったにひかない人がいるのはなぜか、考えたことがありますか?
その理由の一つには、免疫力の違いがあると考えられています。
そもそも、「風邪」とは?
風邪は、鼻やのどの粘膜にウイルスが侵入して起こる急性の気道の炎症で、鼻水やくしゃみ、咳に始まり、痰、寒気、発熱、食欲不振や倦怠感などの症状を引き起こします。
しかも、「風邪は万病のもと」と昔からいわれている通り、悪化すると肺炎や急性中耳炎など、ほかの病気も引き起こす厄介な病気です。
免疫力のアップがカギ
私たちの周囲にさまざまなウイルスが存在するにもかかわらず感染しないのは、ウイルスが体内に侵入しようとしたときに免疫細胞が阻んでくれているからで、風邪をひきやすい人、長引く人がいるのは、この免疫細胞が弱っていてウイルスが優勢になり、体内で増殖するからなのです。
つまり、免疫力を上げれば風邪にかかりにくくなるというわけです。まずは食生活を改善し、次に挙げる風邪に効果的なビタミンA・C・Eを含む食品を日頃から摂取し、体の免疫力をアップさせましょう。
パプリカ
パプリカはピーマンの品種の一つですが、ピーマンより甘みがあって肉厚なのが特徴で、ビタミンCを多く含みます。
ビタミンCというと美容効果のイメージが強いかもしれませんが、実は免疫細胞を活発にしてくれるビタミンでもあります。ウイルスに対抗する力や活性酸素から体を守ってくれる力を持っているため、免疫力をアップし、ウイルスを撃退してくれます。
また、カロテノイドの一種であるカプサンチンも含まれており、高い抗酸化作用を持っています。
緑茶
植物性飲料のなかで緑茶に最も多く含まれているカテキンは、渋み成分としておなじみのファイトケミカルです。ポリフェノールの一種で、殺菌作用と抗ウイルス作用があり、ブドウ球菌やインフルエンザウイルスなどの繁殖を抑制し、闘ってくれます。
さらに、緑茶は皮膚や粘膜を保護するビタミンC、骨を丈夫にするカルシウムやマグネシウム、便のかさを増やして腸内環境を整える食物繊維なども含有しているので、飲むだけでなく、料理にも活用したい食材です。
ほうれん草
ほうれん草にはさまざまなビタミンやミネラルが含まれていますが、特にβカロテンが豊富です。βカロテンは、体内で粘膜を保護するビタミンAに変わり、のどや内臓などの粘膜の免疫機能を高めます。
また、ウイルスに対抗する力の強いビタミンC・Eも含まれているので、細胞膜を守ってウイルスを撃退します。
そのほか、鉄などのミネラルや造血作用のある葉酸も含まれており、滋養強壮や体力増強に役立ちます。もちろん、女性にうれしい貧血予防や美容に効果のある野菜でもあります。
風邪をひきにくい体を作るには
風邪のほとんどはウイルスの侵入が原因です。
ウイルスに負けず、風邪をひきにくい体を作るためには、まず偏った食生活を見直して改善し、良質なタンパク質やビタミン、ミネラルを日頃からバランスよく摂って、体の免疫機能をアップすることが大切です。