黒糖は古くから沖縄や奄美大島で生産され、黒砂糖または大島糖の呼び名もある砂糖です。上白糖やグラニュー糖とは見た目も異なり、こげ茶色でゴツゴツしているのが特徴です。独特なコクのある甘味が素朴でどこか懐かしいこの黒糖は、どのようにして作られるのでしょうか?
黒糖ができるまで
黒糖の原料はさとうきびで、日本国内では12月から翌4月が収穫のピークとなります。さとうきびから黒糖になるまでの過程は次の通りです。
- 3〜4mの高さに成長したさとうきびを刈り取る
- その日のうちに圧搾機にかけてジュースをしぼる
- ジュースを石灰乳で中和し、直火で煮詰める
- 沈殿した不純物をよけながら上澄み液だけを集め、何度も鍋を変えながら温度を上げていく
- 煮詰まったら撹拌機で冷却し、型に流して冷ます
- 板状に固まった黒糖を適当な大きさに砕き、袋詰めして販売
ちなみに、サラサラした状態の黒糖パウダーは、撹拌機で水分を飛ばしながら結晶化したものです。
女性にうれしいミネラルがたっぷり!
最近、健康志向とメディアの影響もあり、沖縄特産の食材が注目されていますが、黒糖もそのうちの一つで、人気の秘密は、豊富に含まれているミネラルにあるようです。
上白糖やグラニュー糖などの砂糖は、さとうきびから蜜を取り除いて蔗糖分を結晶化して作られており、色白ですっきりした甘味が得られる代わりに、ミネラルなどはほとんど残っていません。
これに対し、黒糖はカルシウムやカリウム、鉄など、女性に必要なミネラルが豊富に含まれているのです。
作り手の顔が見えるような安心感
また、先ほどの製造工程の中には手作業が多くあります。作り手の顔が見えるような印象が消費者に安心感を与えているというのも、人気の理由といえるかもしれません。