今や生活習慣病の代表格ともいえる高血圧や心臓病ですが、食事の摂り方を工夫すれば予防は十分可能です。
今回は、血圧を下げる効果のある食材や、塩分を摂りすぎない食べ方などをご紹介したいと思います。
だしをとったあとのコンブで血圧降下
だしをとるときに使ったコンブは、その後で捨ててしまう人が多いようですが、それではあまりにももったいないというものです。コンブには血圧を下げる効果がありますが、だしだけではその恩恵を十分受けたとはいえません。だしをとったあとのコンブにもまだ栄養分がたっぷりと残っているからです。だしをとったあとのコンブは、まとめて冷凍しておいて煮昆布にしたり、佃煮にしたりしていただきましょう。
また、コンブの旨みもまだまだ残っているので、調味料を少し控えてもおいしくいただけるという利点もあり、塩分の摂りすぎを防ぐこともできます。
高血圧には塩抜き梅干し
梅の持つ殺菌力を借りたのが、青梅をおろしたジュースを煮つめて作る梅肉エキスです。これには梅に含まれるクエン酸も豊富で、乳酸の発生を抑えて血液の循環をよくするので、血圧の高い人はぜひともすすんで摂るようにしたいものの一つです。
といっても、エキス作りには非常に長い時間と手間がかかりますし、買おうとすれば高価なものです。そこで、簡単にエキス代わりになるのが塩抜き梅干しです。梅干しをぬるま湯につけて24時間そのまま放置しておくだけで簡単にできます。
ただし、熱湯につけると有効成分のクエン酸まで抜けてしまうので、必ずぬるま湯を使うようにしましょう。急ぐときは、竹串で梅干しに穴を開け、ごく弱火にかけた鍋の中で、沸騰させないよう30分ほど煮てもOKです。
水代わりに杜仲茶を
杜仲茶は、杜仲という中国原産の植物の樹皮から作られています。もともと杜仲には杜仲葉配糖体という成分が含まれており、これが血管を広げて血流をよくする働きを持っています。中国では古来、高貴な薬として扱われてきました。
この杜仲葉配糖体を摂取することで血流がスムーズになれば、自然に血圧は下がっていきます。日本でも、特定保健用食品に指定された、この成分を含むドリンクが市販されているので、水代わりに普段から飲んで、血圧の安定を図りましょう。
マグネシウムで心臓病予防
ここ数年で、心筋梗塞により突然死するケースが増えてきていますが、これは、高カロリー・高脂肪・高塩分といった欧米化した食生活に原因があるのはもちろんですが、実はもう一つ、マグネシウムの摂取量が減少していることも大きく影響しています。
マグネシウムを多く含んでいる食材には、小豆・納豆などの豆類をはじめ、アーモンドなどのナッツ類、さらには青海苔・ワカメなどの海藻、ゴボウや煮干しなどがあります。これらを意識的に食べるように心がければ、マグネシウム不足によるさまざまな病気を防ぐことができますし、同時に血圧を下げる効果も得られます。
血液サラサラに水分は不可欠
また、体の水分が減ってくると血液が粘り気を増し、血栓の原因となります。血管障害防止のためにも、水分は多めに摂るよう心がけましょう。