象糞茶は野生の象の糞を1年間ほど乾かして煮出したお茶で、サバンナティーとも呼ばれます。象の糞は古くからアフリカ各地で民間薬として扱われており、滋養強壮などに効果があると考えられています。
象糞茶の特徴
濃く煮出した象糞茶は紅茶や麦茶のような見た目ですが、飲むとほのかに草の香りがします。また、飲むと血液の循環が活性化することから、体がぽかぽかと暖かくなり、トイレが近くなるといわれています。
象糞茶はこんなときに飲まれている
ナミビアのヒンバ民族の間では、象の糞を煮出した汁を耳に流し込んで中耳炎の治療をする習慣があるほか、産後の肥立ちが悪い女性や虚弱体質の人、病後の体力回復などにも象糞茶が役立つとされています。
象の消化機能には現在でも解明されていないさまざまな謎があるといわれていますが、象が食べる草や木の枝が完全に消化されない状態で体内を通過してくることで何らかの作用が働き、植物の薬効効果が高まるのではないかと考えられています。
象の糞を煮出して作るお茶と聞くと、そんなものが飲めるのかと驚いてしまいますが、象の糞を薬として扱うことは実は江戸中期の日本においても見られ、1729年に京で従四位を授かった象の糞を乾燥させて作った薬丸「象洞」を、疱瘡に効くとの触れ込みで代官が売っていたといわれています。
アフリカの民族の長年の知恵と経験によって古くから健康茶として愛飲されてきた象糞茶。一般に入手しやすいものではありませんが、その効果・効能を実感してみたいという方は一度飲んでみてはいかがでしょうか。