近年、日本では高血圧症や動脈硬化などの増加が健康上の問題の一つとなっていますが、これらの予防に効果があるとして注目されている栄養素がカリウムです。
ナトリウムを摂りすぎるとどうなる?
カリウムの体内での働きで最も期待されているのが、ナトリウムの摂りすぎによる高血圧を防ぐ働きです。
食塩(塩化ナトリウム)は料理作りに欠かせない調味料で、私たちの生命維持にも必要ですが、摂りすぎると血中のナトリウム濃度が上がって高血圧を招くことになります。血中のナトリウム濃度が高くなると、それを薄めようと細胞から血液中に水分が取り込まれて血液の量が増え、血管内の圧力が高まります。
このとき、カリウムは水分を細胞内にとどめて血液量を増やさないように調節し、血圧が上がるのを防ぎます。つまり、高血圧を予防するには、ナトリウムとカリウムのバランスが大切なのです。
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なぜナトリウムを摂りすぎ、カリウムが不足する?
日本人は料理に醤油や味噌を多く使うため、もともと食事の塩分量が多く、ナトリウムの摂りすぎになりがちなのに対し、カリウムは調理で失われやすいため、特に加工食品を食べる機会の多い現代人はカリウム不足になりがちです。
高血圧は動脈硬化や心疾患などのリスクを高めます。カリウムこそ、現代日本人がもっと積極的に摂るべき栄養素なのです。
生食できる果物でカリウムを効率よく摂取
カリウムは緑黄色野菜・いも類・果物などに幅広く含まれていますが、野菜やいも類はゆでるとカリウムがゆで汁に溶け出るため、摂取量は減ってしまいます。
その点、生食する果物ならカリウムを損なうことなく摂れるうえに、一度に食べる量も多いのでより効率的に摂取できます。
汗をかいた後におすすめ!
カリウムは汗とともに失われてしまうので、果物は夏場やスポーツ後のおやつに特におすすめです。