アルギニンは、摂取して体に取り入れることで美肌効果が発揮され、効果も持続されます。
アルギニンの効能は、肥満の改善、育毛、糖尿病・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・高血圧・心不全などの生活習慣病の改善、ED(勃起不全)・不妊症・認知症・骨粗鬆症の予防に有効とされています。
アルギニンの効能
アルギニンは、成長期の子供にとっては食べ物から補充しなくてはならない必須アミノ酸ですが、大人になると、体内でグルタミン酸から生成される非必須アミノ酸です。しかし、生成能力は十分ではないため、健康な体を保つためには不足分を摂取する必要のある、準必須アミノ酸です。
アルギニンは、必要な成長ホルモンの分泌に深く関わっており、アルギニンを補給することで筋肉の補修、増強をする働きがあります。また、血管を広げるために必要な一酸化窒素はアルギニンから作られていることから、運動時に血流が足りないときに摂取すると非常に効果があります。そして、疲労感の原因と言われる体内の余分なアンモニアを除去することができ、激しい運動や疲労の回復にもアルギニンは非常に有効です。
最近は、老化や生活習慣病などを予防する効果があることから注目されている成分でもあります。一般的に、老化は、たんぱく質、脂質、遺伝子などが糖化することで働きが弱くなることが原因だと考えられています。アルギニンはこの「糖化」を抑える働きがあるのです。
アルギニンはたんぱく質を合成しているだけでなく、それ単体でも重要な働きをもたらしていることから、「超アミノ酸」とも呼ばれています。
アルギニンの美容効果にも注目が集まっています。
アルギニンは成長ホルモンを増やすと共にコラーゲンを増やし、その結果、シワやたるみを防ぐほか、老化現象により、硬くなり柔軟性を失ったコラーゲンの状態を良くし、肌を若く保つことができます。更に、肌の血流を増やし、くすみを改善し、血色をよくします。この効果があるのは、アミノ酸の中でもアルギニンのみと言われています。
このように、アルギニンはアミノ酸の中でも特に強い保湿効果と肌荒れ防止効果がありますが、これらの美肌効果は、化粧品などのように外から補っただけでは吸収されにくく、十分な効果は期待できません。アルギニンは、摂取して体に取り入れることで美肌効果が発揮され、効果も持続するのです。
更に、精液の80パーセントはアルギニンが成分でもあるため、アルギニンが欠乏すると、EDなどの性障害や不妊症につながってしまうことから、男性にとっても非常に重要なアミノ酸と言えるのです。
成長と深い関係があるアルギニン
アルギニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、体内で合成されるため非必須アミノ酸になります。
しかし、子供はアルギニンを体内合成できなため成長期の子供にとっては必須アミノ酸になります。体内での分解が進むと最終的にはブドウ糖に分解される性質があります。
体内での働き
成長ホルモンの分泌促進
アルギニンは成長ホルモンの分泌を促す作用があります。そのため、成長期の子供には必須の栄養素なのです。また、筋肉を増強させたり、傷を治すなどの働きもあります。
一方で成長ホルモンが食欲を抑え、脂肪の代謝を促進する作用があるのでダイエットにも用いられます。手術後には輸液として術後の回復促進にもつかわれています。
筋肉増強、食欲抑制、脂肪の代謝促進というアルギニン効果を利用して、ボディービルダーにサプリメントとして広く利用されています。
免疫機能の向上
アルギニンは、細菌やウィルスを消化するマクロファージと呼ばれる白血球を活性化する作用があります。アルギニンを摂取すると免疫力が強化されます。
血流改善効果
アルギニンは体内で一酸化窒素の生成をサポートします。一酸化窒素は血管を拡張して血流を改善し、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防します。
また、血流が大きく改善するため男性機能も活性化します。一酸化窒素は勃起機能を改善する環状グアノシンーリン酸を活性化します。このためアルギニンは男性の精力剤としても活用されています。
保湿効果
アルギニンはコラーゲン生成を促進する効果があり、アンチエイジングの栄養素としても利用されています。
運動の疲労感の緩和
アルギニンは、運動の際の疲労物質であるアンモノアを抑制するので疲労感を緩和します。
アルギニン欠乏症
アルギニンが欠乏すると成長が遅れ、病気にかかりやすく、また生活習慣病にもかかりやすくなります。
アルギニン過剰症
サプリメントなどでアルギニンを大量摂取すると、下痢や胃痛などの症状がおきます。特に、幼児や子供にアルギニンを大量摂取させると巨人症リスクが高くなることはよく知られています。
アルギニンを多く含む食品
鶏肉や大豆製品、エビ、ゴマ、牛乳、牛肉、豚肉に多く含まれます。酢の物やポン酢などどと一緒に食べると効果的です。
アルギニンは子供にも大人にも重要なアミノ酸ですが、単体で摂取するよりは他の栄養素と複合的に摂取するほうが望ましいといわれています。
アルギニン まとめ
アルギニンは人間が生命を維持する上で必要な20種類のアミノ酸の中の一つです。
一般的には、アミノ酸は体内で合成されないので食事など外部から摂取しなければならない必須アミノ酸と体内で合成される非必須アミノ酸に別れますが、アルギニンは非必須アミノ酸に分類されます。
ただし子供の場合は必要量を体内で合成できないので、必須アミノ酸と言われることもありますが、子供がサプリメントとして摂取することは推奨されていません。その他、妊娠中・授乳中も摂取を避ける方が良いとされています。
アルギニンには、免疫力のアップ、コラーゲン生成促進効果による傷の回復促進、美肌・育毛効果の他、ED(勃起不全)改善、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病予防などの効果があります。
必須アミノ酸の場合、特定のアミノ酸だけを効果があるからと言ってたくさん摂取しても、アミノ酸の効果を全て発揮させることはできないので、アミノ酸全体をバランスよく摂取し、不足とならないように摂取することが極めて重要です。
コラーゲンなどのタンパク質は、20種類のアミノ酸が全て揃って作られます。そのため、必須アミノ酸をバランスよく全て摂取した上で非必須アミノ酸のアルギニンなど残りのアミノ酸も摂取することが必要となります。