クロムは、糖質の代謝を促し、糖尿病を予防します。
クロムが良く効くのは、コレストロールの低下、中性脂肪抑制、代謝促進、筋肉増強、血糖値の安定、美肌効果などに効き目があるとされています。
クロムの効能
クロムとは、別名「代謝のミネラル」とも呼ばれ、糖質や脂質などのエネルギー代謝と関係が深いミネラルです。成人の体内存在量は2mgで、必須ミネラルの中では最も微量です。リンパ節や歯、肺に多く存在しています。食品には、あさりや海苔などの海産物、卵・穀類・肉類に多く含まれています。
クロムは、血糖値をコントロールするインシュリンの働きを活性化するため、糖尿病の予防や、中性脂肪やコレステロール値を改善する効果があります。
最近ではクロムをダイエットに有効利用する方法が注目されています。これはインシュリンを活発化させ、脂肪とコレステロールの燃焼効率も向上させる働きがあることによります。
クロムダイエットは別名「低インシュリンダイエット」とも呼ばれ、アメリカにおいてもダイエッター達に愛用されているほどで、ダイエット研究家にもその効能は認められています。
インシュリンを活発化させてその働きを正常化させることから、インシュリンの働きが低下してなかなか痩せない人にとって非常に効果が期待できる方法とも言えるでしょう。
さらにクロムには、ただ脂肪を落とすだけではなく、筋肉を増強させる働きもあります。筋肉が多いほど脂肪の代謝も活発になるため、相乗効果も期待できるのです。
ほんの少しだけ、絶対必要なミネラル クロム
クロムは必須ミネラルのうちでも、もっとも微量しか必要としないミネラルです。自然界では、三価クロムとして存在し、ミネラルとしてのクロムはこの三価クロムのことをいいます。
体内ではインスリンのサポートをして糖代謝にかかわります。単体のクロムは常温での安定度が高く水中でも空気中でも酸化しません。通常の環境では錆びることが無いのです。このため、鉄と合金にしてステンレスとして広く普及しています。
一方でクロムメッキ産業の排水は公害物質としてよく知られていますが、これは六価クロムです。
クロムの体内での働き
食品として摂取された三価クロムは小腸で吸収されますが、吸収率は非常に低く0.5〜2%ぐらいだと考えられています。小腸で吸収された三価クロムは糖たんぱく質と結合して血流に乗ります。血流に乗って体中に運ばれ、主にリンパ液、歯、肺、肝臓、卵巣などに蓄えられます。
クロムの最も大きな役割は、インスリンのサポートです。インスリンとともに糖の正常な代謝に働き、血糖値を上げ過ぎないようにしています。そのため、クロムが不足すると糖尿病リスクが高まります。
クロム欠乏症
クロムは、もともと非常に微量しか必要としないミネラルなので、日本で通常の食生活をしていれば欠乏することはまずありません。クロムを含まない完全静脈栄養などで欠乏がおきます。
クロムが欠乏すると、インスリンの機能が低下して糖尿病リスクが高まります。また、成長不良や、生殖能力の低下、角膜異常、末梢神経障害などの問題が起きます。
クロム過剰症
通常の食生活をしていれば、過剰摂取の心配はありませんが、長期間、クロムを含むサプリメントを摂取し続けるとまれに過剰になることはあります。嘔吐や下痢のほかに、肝機能障害、中枢神経障害などが起こる可能性があります。
クロムメッキ工場の労働者や、その排水が川に流れ込んだりすると地域住民などにも六価クロム中毒の症状がでます。発がん性や生殖機能障害などが有名です。
クロムを多く含む食品
乾燥わかめや乾燥ひじきなど。また干物にも多く含まれています。クロムはビタミンCと一緒に食べると吸収効率が上がります。
クロムを破壊するもの
シュウ酸やフィチン酸はクロムの吸収を阻害します。シュウ酸は野菜に含まれるいわゆるアクといわれる成分なので軽くゆがくと除去することができます。フィチン酸は米ぬかやゴマなどに含まれる成分です。玄米食ではクロムの吸収が阻害されるリスクがあります。
クロム まとめ
クロムは、身体にとって重要な栄養素として健康維持に必須なミネラルの仲間の一つで、微量ミネラルになります。ミネラルとしてのクロムは三価クロムで、体内に約2ミリグラム存在しています。
他には、環境汚染物質で発がん性のある六価クロムがあります。セメントを土と混ぜると、化学反応をおこして六価クロムが発生する危険があります。これは、アスベストと並ぶ、二大発がん物質の1つとされています。
ミネラルとしてのクロム(三価クロム)は、吸収されにくい物質ですが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収されやすくなります。逆にシュウ酸を含むほうれん草やサトイモなどの食品と一緒に摂取すると吸収がされ難くなります。
クロムは、血糖値を抑制し、糖質の代謝を促して糖尿病を予防します。脂肪の代謝も促すことから、血中コレステロールや中性脂肪を減少させて動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。
クロムだけに限った話ではありませんが、栄養成分は相互に作用し合って働きを高めます。クロムは、血糖値を下げる効果に関しては亜鉛と一緒であればその効果が高まります。クロムは野菜や肉、魚、穀類に幅広く含まれていますが、偏食の人でなければ不足の心配はありません。
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DHCの亜鉛は、亜鉛サプリメントでベストセラーNo.1です。亜鉛15mgに対してクロムが60μg含まれており、相乗効果が高められています。
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クロム単体のサプリメントとしては、ナウフーズ社のGTFクロムが売れ筋となっています。