クエン酸は、体内で炭水化物、脂質、たんぱく質などからエネルギーを産み出すために必要不可欠な成分です。
疲労回復、ダイエット効果、キレート効果、痛風予防効果など多くの効果を得ることができます。
クエン酸の効能
人を含む動物は生きるためにエネルギーを必要とします。そのエネルギーは炭水化物や脂質、たんぱく質などが体内で消化吸収され分解されて作り出されます。このエネルギーが作り出される仕組みはクエン酸回路(サイクル)と呼ばれ、その名前が示す通りクエン酸はエネルギーを作り出すには欠かせない成分の一つです。
エネルギーを産み出すクエン酸回路は人間の場合60兆個あると言われる細胞の一つひとつにあり、クエン酸自体は、体内で不足することはまず無いですが、不規則な食生活などでクエン酸回路の働きが悪くなるとエネルギーを効率よく作り出せなくなります。クエン酸を体外から摂取することでクエン酸回路が活性化する効果が期待できます。
その他にも、以下の効果があります。
疲労回復
クエン酸は、運動すると蓄積される疲労物質である乳酸を分解して取り除く働きがあるので疲労回復に効果があります。
ミネラルの吸収促進(キレート作用)
ミネラルは微量ながらも重要な働きがあるので摂取不足になると健康状態が悪化しますが、吸収されにくい性質を持っています。クエン酸はミネラルの吸収率を高めるキレート作用があります。
食欲増進効果
クエン酸の持つ酸味によって食欲増進が期待できるほか唾液の胃液の分泌を促進させる効果があります。
肝機能増進効果
クエン酸には、肝機能を改善し肝臓病の予防効果があるといわれています。
痛風予防効果
クエン酸は尿の酸性度を弱酸性に変えるため痛風の原因となる尿酸を排出しやすくし痛風予防の効果があります。
ダイエット効果
エネルギー代謝を高めるので脂肪の分解を促進しダイエット効果があります。
こんな人に
スポーツの後、疲れがひどい、疲れがなかなか取れない人、ダイエットの効果を高めたい人に最適です。
クエン酸サプリの種類と飲み方
粉末で水に溶かし飲むタイプ、錠剤のほかビタミン、アミノ酸などを添加してサプリが販売されています。
サプリ摂取の注意点
1日の必要摂取量は、通常の生活では1〜2gくらいです。大量に摂っても、過剰なクエン酸は分解されて排出されてしまうので効果がありません。サプリの中に2000㎎(2g)を超えているものが多くあります。これらのサプリはハードな運動後に摂取し、通常生活では量を減らして摂取すると無駄がありません。
クエン酸を含む果物ジュースやサプリは酸性度が高く歯を溶かして酸蝕症になる危険性があります。クエン酸のほか酸性度の高い食品を摂取した後は歯磨きを速やかに行うようにする必要があります。
クエン酸回路(サイクル)にはビタミン、ミネラルも必要です。これらの栄養成分と併せてクエン酸を摂取することでより効率的になります。
参考サイトの紹介
クエン酸に関しては、以下のページが参考になります。
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/citric-acid/
クエン酸の豆知識
「クエン酸回路」は高校の生物学では使われますが、専門的な用語としてはTCA回路(TCAサイクル)と呼ばれます。
その他にもトリカルボン酸回路、クレブス回路などと異なる呼ばれ方があります。クレブス回路のクレブスとは人の名前で、ドイツの化学者のハンス・クレブスのことです。クレブスが発見したためこう呼ばれます。この発見の功績により1953年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。