イノシトールは、血液中の中性脂肪やコレステロール値を低下させるビタミン様物質です。
イノシトールが良く効くのは、高脂血症・脂肪肝の予防、血液中コレステロールの低下、脳の活性化、髪の健康維持などに効き目があるとされています。
イノシトールの効能
イノシトールは、細胞膜を構成するリン脂質の重要な成分です。主に神経の細胞膜に多く含まれ、コレステロールの流れを良くし、動脈硬化、高脂血症を防ぐ働きがあります。
イノシトールは、食品添加物としても認可され、各種ドリンク剤や、乳児用ミルクのほか、養殖えびの飼料などにも配合されています。イノシトールを多く含む食品としては、オレンジやグレープフルーツ、グリーンピースなどがあります。更に、人間の初乳に多く含まれ、乳児に欠かせない成長物質とも言われています。
昔から肝臓によい成分として知られ、脂肪やコレステロールが肝臓に貯まらないようにする働きがあるため「抗脂肪肝ビタミン」ともよばれ、薬としても利用されています。肝臓発がんに対して非常に優れた抑制作用があることや、大腸がん、乳がん、肺がんの抑制にも有効だということが研究結果でも確認されています。
その他、抜け毛を防ぎ、毛髪を健康に保つ効果も期待できます。
ビタミンB群と相乗効果が期待できるとされているため、一緒に摂取するとよいでしょう。
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脳の栄養、イノシトール
イノシトールは、以前はビタミンBに分類されていましたが、体内でも合成されることがわかり、現在はビタミン様物質とされています。水溶性の成分で脂質の代謝に深く関与しています。神経細胞や筋肉に多く含まれています。食品には、穀物や果物に多く含まれています。
体内合成ではブドウ糖を原料に生成され、白色無臭で甘味があります。9種類のイノシトールが存在しますが体内で働けるのはミオイノシトールだけです。
植物内ではイノシトールまたはフィチン酸、動物の体内ではイノシトールまたはイノシトールリン酸の形で存在しています。法的に認められた食品添加物であり、脂肪肝や動脈硬化予防のプリメントにもよく利用されています。
また、乳児の成長物質として粉ミルクにも使用されています。
フィチン酸はイノシトールの一種ではありますが、これを分解吸収する酵素がないために体内には吸収しにくいものです。
イノシトールの体内での働き
イノシトールはブドウ糖によって生成され、脳内物質であるリン脂質の構成要素となります。脳の栄養として神経機能の維持などに働きます。
- 脂肪分の流れをよくします。
肝臓では余計な脂肪の蓄積を防ぎ脂肪肝を予防します。血管の脂肪の流れもよくなるため動脈硬化を予防改善します。 - 脳内物質であるリン脂質の構成要素となります。
脳の働きを活性化させ、神経伝達をスムーズにします。発毛、育毛など頭皮の健康をつかさどる神経にも働くので、髪の健康を維持します。 - 近年ではイノシトールの大量摂取で脳の機能を改善し、パニック障害や強迫性神経障害などの症状緩和にも役立つことが報告されています。
- 腸の筋肉運動を活性化するため便秘の改善にも役立つといわれています。
イノシトール欠乏症
イノシトールは、現状欠乏症という症状は報告されていません。
脂肪の代謝をスムーズにする作用は、ビタミンB2・ナイアシン・パントテン酸などにもあるので、イノシトール単独で欠乏することはありません。
イノシトール過剰症
イノシトールは水溶性なので過剰に摂取しても尿として出てしまうので基本的に過剰症はおきません。
ただし、植物性イノシトールであるフィチン酸は鉄や亜鉛、カルシウムなどのミネラルの吸収を阻害します。玄米や全粒粉などはフィチン酸を多く含むのでミネラル摂取を心掛ける必要があります。
イノシトールを多く含む食品
オレンジ、すいか、メロン、グレープフルーツ、桃、グリーンピース、豆類、小麦胚芽、さつまいも、トマト、キャベツに多く含まれています。
脳の活性効果を上げるためには、イノシトールと同じく脳を活性化する成分であるコリンも含むレシチンの摂取が望ましいのです。レシチンは大豆や卵黄に多く含まれています。
イノシトールは水溶性なので鍋や煮物した場合には煮汁に溶けだしてしまいます。煮汁も同時に食べましょう。
イノシトールを破壊、阻害するもの
普通の食生活をしている場合にはイノシトールは欠乏することはありません。しかし、コーヒーやお茶などのカフェインを含む飲み物を何杯も飲むと、イノシトールを大量に消費してしまいます。お茶にケーキやお饅頭が合うのは、イノシトールの原料である糖質を補う意味では有効です。
しかし、カフェインは体に必要な物質ではありません。カフェインを減らすほうが合理的です。
食後に生の果物を食べる習慣はイノシトールを補充するという意味では有効です。果物のカロリーも含めてカロリー計算をすると肥満の心配もありません。
イノシトール おさらい
イノシトールは、筋肉や神経細胞に多く存在し、以前はビタミンB群の仲間のビタミンと考えられていました。
しかし、体内で合成され、欠乏症も生じないことから、ビタミンの定義である「体内で合成することができない有機化合物で、生命維持のために食材から摂取しなければ生命の維持ができない栄養素」には当たらないため、ビタミンと同様な働きをする「ビタミン様物質」とされました。水溶性のビタミン様物質です。
イノシトールは、脂肪の蓄積を抑え、コレステロールを低下させるので脂肪肝や動脈硬化の予防に役立ちます。脂肪分が多い食事をする人は十分摂取したい成分です。その他、神経細胞の働きを助けたり、脳細胞に栄養を与え脳の活動を促し正常に保つ効果もあるといわれています。
イノシトールは、産後1週間以内に分泌される母乳(初乳)に多く含まれています。そのため、乳児には欠かすことのできない成長物質として、粉ミルクに添加されています。その他には髪の毛の健康維持の効果もあります。
これらに加え、近年の研究でイノシトールを1日10g以上大量摂取することで、パニック症候群や強迫性障害などの脳機能改善の効果があるという報告もされています。
また、脱毛効果でも知られており、健康な毛髪の維持にも必要な成分です。
イノシトールは、レシチンや小麦肝芽、ビール酵母、オートミール、きな粉、玄米などに多く含まれています。イノシトールが不足すると、抜け毛や湿疹、肥満などの症状がみられ、コレステロールの増加など生活習慣病になりやすいとされています。
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イノシトールは水溶性のビタミン様物質ですので、用法用量を守っていれば過剰摂取の心配はありません。
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イノシトールとコリンの相乗効果は、脳の活性化作用を高めてくれます。