イヌリンは、植物によって作られるダイエット効果の高い多糖類の一種です。
イヌリンが良く効くのは、脂肪の蓄積を抑える、血糖値の正常化、便秘の改善に有効とされています。
イヌリンの効能
イヌリンとは、植物によって作られる、天然の多糖類の一種です。
主に、菊芋、チコリ、タンポポ、ごぼうなどの根や地下茎に蓄えられます。特に、菊芋には、これらの中でも含有率が最も多く、イヌリンが約10%〜12%も含まれています。
また、イヌリンの持つ糖質は有名で、人間が持つ酵素では消化吸収が不可能な性質を持っています。そのため、ブドウ糖の生成が抑制され、肝臓への負担が軽いとされています。更に、インシュリンの分泌量を低下させる働きもあり、膵臓の負担も軽減されます。これらの相乗効果により、血糖値の上昇を抑えることができます。
イヌリンが注目を集めているのも、このインシュリンによるダイエット効果です。
ホルモンの一種であるインシュリンの分泌が増えると、脂肪がどんどん蓄えられ、代謝されにくくなり、太りやすくなる性質があります。そこでイヌリンの持つ低インシュリン効果は、血糖値の上昇を緩やかにするため、過度のインシュリンの分泌が抑えられ、体内に脂肪が蓄積されるのを防ぐと共に代謝を促し、太りにくくなる効果があるのです。
イヌリンは腸内で初めて分解され、フラクトオリゴ糖となって善玉菌のエサとなるため、腸内環境の改善、便秘予防の効果もあると言われています。
更に、イヌリンに含まれる食物繊維は、便や老廃物が腸内に留まる時間を短くし、排泄を促し、腸の運動を活発にします。しかも、肥満の原因になる栄養素が腸から吸収されるのを防ぐ効果もあります。
このように、ダイエット効果が高いイヌリンですが、より効果を上げるためにも、サプリメントなどを食事の直前か、食後すぐに摂取するとよいとされています。また、ごぼうなどの野菜から摂取する場合は、皮に近い部分に有効成分が含まれているので、なるべくそのまま料理に利用することが大切です。
太らない甘味 イヌリン
イヌリンはでんぷんや砂糖と同じ糖質の仲間ですが、人間の体内に吸収されることがほとんどなく、腸内で発酵分解されます。腸内では、ゲル状になってほかの糖質の吸収を妨げます。また、腸内分解によってオリゴ糖に代わり腸内細菌の栄養になります。このため、ダイエット食品として注目されています。
イヌリンの体内での働き
イヌリンが食物として摂取されても、唾液や胃酸などの消化酵素では消化することができません。人間はイヌリンを消化できる消化酵素を持っていないのです。
一方でイヌリンは体内に入ると水分を吸収してゲル状になり、ほかの食物を吸着して消化器の中を迅速に移動します。胃や十二指腸に滞留する時間が短くなることで、一緒に食べた他の食物の吸収率を低下させます。過食傾向がある人には、重宝する働きをしてくれるのです。
イヌリンは腸に達して初めて発酵分解されオリゴ糖になります。オリゴ糖は腸内細菌の栄養となる糖質です。しかも腸内を移動するうちに腸の蠕動運動を促進するので便秘の解消につながります。
結腸ではバクテリアによって分解されメタンガスなどに代わります。イヌリンを多く含む食品は食べ慣れるまでは、おならがよく出る傾向があります。
食後の血糖値上昇を緩和
イヌリンが胃や十二指腸などでゲル化して、他の食物を吸着して消化器官の中を迅速に通過するので、食べたものの栄養吸収をさまたげます。当然糖質の吸収率も悪くなり、食後の急速な血糖値の上昇をおさえます。血糖値が急速に上昇することがないので、インスリンの作用も穏やかなものになり糖尿病のリスクをさげます。血糖値の上昇や下降が穏やかに行われるために、メンタルの上がり下がりも穏やかなものになります。
腸内の善玉菌の繁殖をサポート
イヌリンは腸に達すると発酵分解されてオリゴ糖になります。オリゴ糖は腸内の善玉菌に餌となって、その繁殖を助けるのです。
便秘の解消
イヌリンは消化器の中でゲル状になってほかの食物を吸着して大きくなり、腸の蠕動運動を活発にします。腸内にたまった便を押し出す役目をします。
ダイエット効果
イヌリンは、胃や十二指腸の中でゲル状になりほかの食物を吸着して迅速に消化器内を通過するので、食事の吸収率を低くします。また、便秘解消効果も大きいのでダイエット効果が期待できます。
消化器内で膨れ上がるために、満腹感を得ることができ過食を防止します。腸内に長くとどまるために腹持ちがよく間食を減らすことができます。
食物繊維が不足すると、どうなる?
食物繊維は消化器内に滞留している老廃物を掃除をする働きがあります。不足すれば便秘という形で体内に老廃物をためることになります。また、食事の際に食物繊維の摂取が不足すると、消化の速度が速くなり食後の血糖値が急激に上昇するために糖尿病リスクが高くなります。
食事の中に食物繊維がないと、消化器のなかで膨らむものがないため、満腹感を得るためには多くの食物を食べるようになります。また、消化吸収が速くなるために食事の腹持ちが悪くなり、間食を制御しにくくなります。
このようなことから、イヌリンなどの食物繊維は、食前に摂取したり食事の最初に食べると効果的です。
イヌリンの副作用
イヌリンは食物繊維なので過剰になると、腹部膨満感や腸内のガスの停滞などがあります。また、下痢の要因にもなります。下痢になると、栄養が吸収できなくなり、また脱水症状を引き起こします。
イヌリンの働きによって全体的に栄養の吸収率が落ちるので、長期的な摂取は控えなければなりません。栄養が不足気味の場合には、イヌリンの摂取には注意が必要です。
また、イヌリンは人によっては重篤なアレルギー反応を起こす場合があります。イヌリンを含む食品を摂取するときにはアレルギーに気を付けましょう。特に妊婦・授乳婦の場合、安全性を確認できるデータがまだありません。摂取はやめるべきです。
イヌリンを多く含む食品
キクイモ、ゴボウ、ニラ、ニンニク、チコリ、リーキなどの野菜に含まれます。
イヌリンの効果と注意点
イヌリンは食事の糖質の吸収をおさえて糖尿病予防に効果があり、また食物繊維として便秘の解消にも効果的な働きをします。
一方でアナフィラキーショックの事例があることでも有名な成分です。イヌリンのサプリメントを利用するときには十分注意しなければなりません。
イヌリン おさらい
イヌリンは、炭水化物の一種で果糖が約30個つながった重合体である多糖類で、可溶性の食物繊維の一種でもあります。自然界のさまざまな植物が作る天然由来成分で、砂糖や他の炭水化物に比較して、栄養上の優れた性質を持っています。
- カロリーが3〜4分の1しかない
- 油脂に比べると6〜9分の1しかない
- カルシウム、マグネシウムなどの吸収促進効果
- 腸で善玉菌であるビフィズス菌などのエサとなって善玉菌を増やす働きをする
このようなイヌリンの作用が注目され、近年では食物製品として、砂糖や脂肪、小麦粉の代わりに多く使用され始めています。但し、腸の過敏な人などにとって多量に摂取するとガスが発生し腹部が膨らみすぎる可能性があり注意が必要といわれています。
なお、血糖値には影響をほとんど与えないことが分かっており、糖尿病患者の血糖値を適正に維持する働きの可能性が期待されていますが、まだ確実に効果があるかどうかは分かっていません。
その他にもイヌリンには、脂肪の吸収を妨げる、血液をきれいにする、消化吸収を良くする、便秘を解消するなどの効果があります。
また、インシュリンが多く分泌されると脂肪の蓄積が増え、肥満になりやすくなりますが、イヌリンは、このインシュリンの分泌を抑えることから肥満防止が期待できる成分といえるでしょう。
イヌリンはいつ摂取すればいい?
便秘解消やダイエット効果を高めるには、イヌリンを食事の前に摂るのがおすすめです。
イヌリンは食べ物に作用するので、腸の中になにも入っていない/入ってこないと、せっかくの効果も得られません。
イヌリンの食べ方は?
イヌリンは菊芋に多く含まれていますが、ふだん菊芋を食べる機会も少ないと思います。ごぼうにも含まれていますが、イヌリンの効果を得るには不十分の含有量です。(ごぼうには他にもリグニンやセルロースといった食物繊維を多く含むので、それはそれで高い効果がありますが。)
そこで、イヌリンの効果を手軽に得たい場合は、「イヌリンのパウダー」あるいは「菊芋のパウダー」を購入して摂取するのが現実的です。ネットで手軽に買えます。
- イヌリンのパウダーは、合成して作られたもので、安価に入手できます。
- 菊芋のパウダーは、天然のイヌリンを摂取したい方に、オススメです。