ナイアシンはニコチン酸やニコチン酸アミドなどの総称で、魚や鶏肉、レバー、緑黄色野菜、豆類、小麦胚芽や米ぬかなどに含まれています。
ナイアシンが良く効くのは、皮膚の保護、胃腸の調子を整える、血行を良くする、などに効き目があるとされています。
ナイアシン(ニコチン酸・ビタミンB3)の効能
ナイアシンは、別名ビタミンB3と呼ばれ、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。生体中に最も多く存在する、水に溶ける水溶性ビタミンです。
体内でトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することができます。食品では、レバー、魚、肉などに多く含まれています。
ナイアシンは、たんぱく質や糖質の代謝を促進し、神経や脳機能を正常に保ち、性ホルモンの合成などにも関わっています。また、皮膚、舌、消化器、精神機能などの健康維持にも必須の成分と言えます。
また、ナイアシンは血行をよくする作用があることから、頭痛や冷え性を改善します。大量にナイアシンを投与することで、コレステロールや中性脂肪を下げる効果も明らかになっています。さらにナイアシンには、アルコールによる酔いの原因となる「アセトアルデヒド」を分解する効果があり、二日酔いの予防にも役立ちます。
ナイアシンの特性として、皮膚や舌の健康を守る働きがあることから、不足すると舌の先や縁の炎症や食欲不振などの症状が出る「ペラグラ」という皮膚病になることも知られています。
ナイアシンは水溶性ビタミンのため、すぐに排泄されてしまい、体内に貯めておくことができないため、意識して摂取することが大切です。特に精神的ストレスの強い人や肌あれが気になる人、お酒をよく飲む人は、積極的に補給するとよいでしょう。
多彩な働きのビタミンB3 ナイアシン
ビタミンB3(ナイアシン)は、水溶性のビタミンで、熱や光、酸に対しても比較的強いビタミンです。炭水化物、脂肪、たんぱく質をエネルギーに変換するときに働きます。また、細胞の成長やホルモンの合成にもかかわります。
ナイアシンの働き
食品として摂取されたナイアシンは腸で吸収されニコチン酸(NAD)となります。一方で、トリプトファンというアミノ酸がビタミンB1,B2,B6と結合してナイアシンを合成します。体内で合成されたナイアシンもNADとなり様々な働きをします。
脂質、糖質、たんぱく質のエネルギー化
NADは更にNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)に変換され、脂肪や糖質、たんぱく質をエネルギーに変えるときに補酵素として重要な働きをします。また、細胞の新陳代謝をサポートします。皮膚、髪、粘膜、軟骨などは新陳代謝が激しいためにその作用が徐実に現れます。美肌、美髪、関節痛を予防し、また、正常な細胞が癌化するのを予防します。
正常な発育をサポート
NADPはホルモンの合成にも関与しています。
アルコール分解に関与
お酒の飲み過ぎはナイアシンを大量に消費することになります。
血行を良くする
ナイアシンには血管拡張作用があるので、高血圧や血行を改善します。その結果、肩こりや頭痛の改善、脳神経のはたらきの改善、冷えの改善をします。
DNAを作る
NADPはDNAを作ることにもかかわっています。
NMNの若返り効果
ニコチン酸アミドからの転換される成分の一つであるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、生命力を維持、増強する役目を持つサーチュイン遺伝子を活性化させるといわれています。若返りや長寿に働く物質として注目されており、すでにサプリメントも販売されています。
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ナイアシン欠乏症
欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状がでます。エネルギー不足になるので倦怠感などが起きるほか、うつ病や記憶障害、不眠症、記憶障害などが起きます。また、子供がナイアシン不足になった時には、成長障害を起こします。
ナイアシン欠乏症として有名なペラグラは、一般的なナイアシン不足の症状がどんどん進行していって起きる病です。日本では、一般的な食事をしていればナイアシン不足になる可能性は低いのですが、アルコール依存症、糖質の過剰摂取、長期の抗生物質の投与などの事情があれば欠乏症になることもあります。
ナイアシン過剰症
過剰に摂取されたナイアシンは尿から排泄されるので基本的には過剰症は起きません。まちがって過剰摂取した場合には皮膚の炎症や顔面紅潮などが起きますが、すぐに収まります。
ナイアシンを多く含む食品
牛の肝臓、鶏白身、豚肉、子牛肉 、サケ、メカジキマグロ、ビール酵母、葉菜類、ピーナッツ、イチゴ、ヒマワリ種、などに多く含まれます。体内でもトリプトファンから合成されます。
熱、酸、アルカリ、光にも強くいので煮物でも揚げ物でも食べることはできます。煮汁などへの流出は非常に多いため、煮汁ごと食べる食事にすると効率よく摂取できます。
ナイアシンのはたらきを阻害するもの
アルコール、コーヒー、砂糖、抗生物質などはナイアシンの吸収を妨げます。また、トウモロコシにはナイアシンの働きを失わせる物質が含まれています。
ナイアシン おさらい
ナイアシンは、ビタミンの定義である「体内で合成することができない有機化合物で、生命維持のために食材から摂取しなければ生命の維持ができない栄養素」に当てはまるのでビタミンの一種です。
ビタミンB群に属しています。現在、全部で13種類あり、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分かれますが、ナイアシンは水溶性ビタミンになります。ニコチン酸、ビタミンB3とも呼ばれます。
ナイアシンの作用と注意点
ナイアシンは、細胞でエネルギーが作られる際に働く酵素やアルコールを分解するときに働く酵素を助ける補酵素の働きをするほか、皮膚や粘膜の健康な状態維持を助けます。酵素の約2割もがナイアシンと共に働いています。また、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用にも関係しています。
ナイアシンが欠乏するとペラグラと呼ばれる皮膚症状や吐き気、嘔吐、下痢などが生じ、更に進行すると認知症症状や精神的な不安症状、抑うつ状態、せん妄、幻覚などが現れるようになります。通常の食事をしていれば摂取量が不足することはないですが、満足な食事をしないでアルコールを摂取しすぎると欠乏することがあります。
ナイアシンは水溶性のビタミンなので煮ると7割ほどが流れ出ます。そのため煮汁も一緒に摂取する料理にすると効率的に摂取できます。
ナイアシンまとめ
ナイアシンはニコチン酸やニコチン酸アミドなどの総称で、魚や鶏肉、レバー、緑黄色野菜、豆類、小麦胚芽や米ぬかなどに含まれています。生体中に最も多く存在するビタミンで、糖質や脂質の代謝を促す酸化還元酵素の補酵素の構成成分です。血行を改善し、脳神経を活性化したり、心筋梗塞を防ぎます。
また、肝臓がコレステロールをつくる能力を低下させるともいわれています。喘息患者のゼイゼイという呼吸音を改善する効果もあります。
ナイアシンの働きはあまりにも多彩なので欠乏症の症状も非常に多彩ですが、その割には命にかかわるような重篤な症状がでません。それだけに、欠乏することに鈍感になってしまって老化を早め、老化から起きるガンなどのような重篤な症状に陥ってしまうことがあります。たんぱく質が多い食事の人は、ナイアシンを摂取を心掛けましょう。