ルチンは、ビタミンCの機能を助け、毛細血管を強化します。
ルチンが良く効くのは、高血圧、血栓症、動脈硬化の予防、アレルギー症、肌の老化予防、風邪をひきやすい、がん予防などに効き目があるとされています。
ルチンの効能
ルチンは、そばの実特有に含まれているポリフェノール成分で、強い抗酸化作用をもっています。
そばを食べていると脳溢血(のういっけつ)になりにくいと言われますが、そばに含まれるルチンには、弾力性がなくなり破れやすくなった血管を、新しい弾力性のある血管に取り替える働きがあり、同時に血液をスムーズに流す作用があることがその理由です。
中でも、中国四川省山間部で栽培される韃靼そばには、普通そばの約100倍もルチンが多く含まれています。
ルチンのポリフェノールは抗酸化性に加えて、血圧や血糖値を降下させ、血栓を防いで血流をスムーズにするため、高血圧や動脈硬化などを改善し、糖尿病の予防効果もあるとされています。
また、ビタミンCと同時に摂取することで、毛細血管を強化し、内出血を防ぐ働きもあります。加えて、ビタミンCの作用を強化する働きもあることから、美白効果はもちろん、コラーゲンの合成も促進する作用もあり、スキンケア化粧品の抗酸化性・メラニン抑制成分としても採用されています。
ビタミンCは通常、ある一定の量しか体に溜めておけませんが、ルチンを摂取しておくことで、通常よりも長い間保つことができる性質もあります。
さらにルチンは、アレルギー反応を引き起こすとされるヒスタミンの分泌速度を遅らせる効果があるため、アレルギー治療薬としても利用されています。
ルチンの働きと栄養効果
ルチンは柑橘フラボノイド配糖体という物質の一種です。フラボノイドとはポリフェノールの一種でほとんどの植物には何らかのフラボノイドが含まれています。カテキンやアントシアニンもフラボノイドの一種です。
柑橘フラボノイド配糖体にはルトサイド、ケルセチンなどもあります。天然ルチンは水には溶けませんがアルコールには溶けます。食品添加物では水溶性のルチン(α-グリコシル-ルチン)を合成して使います。
抗炎症効果
ルチンには抗炎症効果があり花粉症の炎症を抑える効果が認められています。
血流改善効果
ルチンは血小板の凝固作用を阻害するので血液をサラサラにして血行を改善する効果がああります。そのため、高血圧の予防や認知症の予防にも効果があります。痔や静脈瘤などの改善も期待できます。
変形性関節症治療
ブロメラインとトリプシン、ルチンを併用すると変形性関節症の改善効果が認められており、サプリメントも販売されています。ブロメラインは生のパイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素です。トリプシンは脾臓から分泌されるたんぱく質分解酵素です。
毛細血管強化
毛細血管を強化するので血友病の改善も期待できます。
糖尿病の症状の緩和
ルチンはアルドースレダクターゼ酵素の活性を阻害する働きがあります。アルドースレタクターゼ酵素とは炭水化物代謝にかかわ酵素で糖尿病の合併症を引き起こす要因であると考えられています。
抗酸化作用
ルチンは比較的強い抗酸化物質です。
ルチンの欠乏症と過剰症
ルチンは特に欠乏症も過剰症も現在は報告事例はありませんが、動脈硬化や認知症などの予防には効果的なものです。
ルチンを多く含む食品
そばやアスパラガスのほか、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライムなどにも含まれています。
ただし、そばは比較的重篤なアレルギー症状(そばアレルギー)を起こすタンパク質が含まれているので、そば茶などでルチンを摂取する場合には注意が必要です。
そばとおなじタデ科の植物である大黄(ダイオウ)は古くから漢方薬として重用されています。主に便秘薬とされていたのですが、病の諸毒を体外に出す役割を担っていました。
ルチンは、必須成分ではありませんので特に欠乏症はありませんが、そばの産地では高血圧の人が少ない、認知症の人が少ないなどの報告例もあります。
また、変形性関節症に対する効果も興味深いところです。
ルチン おさらい
ルチンはビタミンPに含まれるビタミン様物質で、食品ではそばに多く合まれています。柑橘類の色素のフラボン類と合わせてフラボノイド化合物と呼ばれることもあります。
ルチンは、とくに毛細血管を強化する働きがあることで知られています。毛細血管が丈夫になると弾力性が生まれ、血栓を防いで血流がスムーズになります。結果として血液の詰まりからおこる高血圧や動脈硬化などの症状が改善、予防されるのです。
さらにルチンは、鼻詰まりなどのアレルギー反応を引きおこすヒスタミンという化学物質の分泌速度を遅らせることがわかっており、アレルギー治療薬としても使われています。
ルチンはビタミンCと一緒に摂取すると相乗効果が高くなります。
ビタミンCの吸収を円滑にし、ビタミンCの効果を高める作用があります。ビタミンCの機能強化は、コラーゲンの合成を促進します。これはつまりルチンが、体内では血管や細胞の機能を補強し、外に見える効果としては肌のシミやシワ、たるみを防いで肌の老化を予防してくれることを意味します。
ビタミンCは抗酸化作用が強く、免疫力を高める効果があり、ルチンの摂取は風邪などのウイルス性感染症を防いだり、がんの予防にも役立つとされています。
ルチンはそばに多く含まれますが、つなぎの少ないそば粉100%のそばの方がルチンの含有量は当然多くなります。
血圧が高い人、ストレスが多い人、塩分摂取が多い人、喫煙・肥満・運動不足などの人は、命に関わる重大な病気を引き起こす脳出血予防のために、しっかり摂取しておきたい栄養成分です。
ルチンサプリメントの種類と飲み方
ルチンのサプリメントには、そばの若葉の乾燥粉末を原料にした粒タイプがあります。そば若葉として一日500mg程度を2回に分けて摂取するのが目安です。ただし、そばアレルギーのある人は摂取しないでください。
ルチン 450mg 100粒
そばの中では、韃靼そばに特に多くのルチンが含まれます。
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韃靼そばは、別名「苦蕎麦(ニガソバ)」と呼ばれ、茹でると黄緑色になり、苦味があるので不味いと感じる人もいるでしょう。しかし、韃靼そばは普通そばよりも天然ルチンが約100倍含まれるので、20%程度の韃靼そば比率でも、普通そばの20倍のルチンが摂取できることになります。価格が安くリーズナブルな「麺のスナオシ 韃靼石臼挽きそば」のそば粉配合割合は、22%となっています。
なお、そば茶は栄養成分豊富な健康茶ですが、
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水に溶けない天然ルチンの補給方法としては、そば茶には疑問があります。
そば湯は飲むべきか?
多くの人は、そばを茹でるとルチンが流れ出るため、そば湯を飲むべきと思いこんでいるようですが、実はコレ、ちょっと違っているようです。
実は、そばに含まれる天然ルチンは、難水溶性で水に非常に溶けづらい成分なのです。(参考:十割そば健康法普及協会)
一方で、天然でないルチン(人工ルチン)はα-グリコシル-ルチンと呼ばる水溶性ルチンで、食品添加物として使われています。これが、水に溶けやすいルチンの正体です。
従って、そばを食べれば天然ルチンをしっかり摂取できます。
では、そば湯は飲まなくてよいのでしょうか?
ルチン摂取のために飲む必要はありませんが、そばには水溶性成分としてビタミンB1・B2、ナイアシン、コリンが含まれています。これら成分はそば湯に溶け込んでいますので、そば湯が栄養豊富なのは間違いありません。
塩分過多に気をつけて、そばつゆは少なめに、できればそば湯だけで飲みましょう。