成人の食物繊維の目標摂取量は、1日20〜25gです。
ところが、現在の日本人の食物繊維摂取量は15〜16g程度といいますから、かなり意識的に摂るように心がけないと目標に達しないことになります。
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昔ながらの和食を見直して
食物繊維の優れた供給源となる食品は、根菜類・豆類・こんにゃく・おから・乾物・海藻などです。これらを実際に料理してみると、きんぴらごぼう・五目豆・こんにゃくの炒り煮・炒りうの花・切り干し大根の煮つけ・ひじきの炒め煮など、見事なまでに「おふくろの味」ばかりです。
昔ながらの日本の味を積極的に食卓に並べるようにすれば、食物繊維の目標摂取量クリアも、そう難しいことではなさそうですね。
食物繊維の種類
食物繊維は、セルロース・ヘミセルロース・不溶性ペクチン・リグニン・イヌリン・キチンなど水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水溶性ペクチン・マンナン・アルギン酸など水に溶けるタイプの「水溶性食物繊維」の大きく2つに分けられます。
腸の働きを活発にして有害物質を体外へ追い出す働きが強いのは不溶性食物繊維で、このタイプの食物繊維は、野菜やきのこに多く含まれています。
糖代謝やコレステロール濃度の正常化に働くのは、主に水溶性食物繊維で、果物や海藻に豊富です。
必要な各種栄養素の排出を防ぐ工夫も大切
食物繊維を摂取するうえでは、これらのメリットをデメリットに変えてしまわないよう注意が必要です。腸管内の内容物を速やかに移動させるという食物繊維の働きにより、各種栄養素が吸収されにくくなったり、消化・吸収される前に便といっしょに排泄されてしまったりすることもあるのです。
食物繊維をたくさん摂るときは、ただでさえ不足しやすいカルシウム・鉄・ビタミン類なども多めに摂取しましょう。